学校のテストや受験、大人になったら仕事の仕方やいろんな数字。
私達はいろんなことを覚えようとします。
いろんなことを覚えようとする中で、
どうやったら忘れにくく効率良く記憶できるかという技術も学びます。
紙に書いて手を動かす。図にして理解を促す。
体を動かして覚える。字を色分けしてみる。
いろんな「覚える方法」を学びます。
その一方で、
「忘れる方法」を学ぶことって正直少ないです。
生きていると、自分にとって「嫌なこと」も起こります。
「嫌なこと」が起こると、心が傷つきます。
「嫌なこと」に、反省の余地や学びの余地があったらその後の人生にも活かせます。
けれど、往々にして、
「嫌なこと」のせいで必要以上に思い悩んでしまうことがあります。
学ぶなり反省するなりして、あとはスパッと気持ちを切り替える。
そういうふうにしたいものです。
悩み過ぎると、精神的に良くありません。
心の健康が害されれば、身体の健康にも影響が出てきます。
そう考えると、
忘れたいことはスパッと忘れられる力って大事です。
何かを覚える力を「記憶力」とするなら、
何かを忘れる力は「忘却力」といったところでしょうか。
毎日を幸せに有意義に過ごすためには「忘却力」が必要です。
「忘却力」を高めるためには、どんなことが必要でしょう?
原則として、記憶は消し去るより上書きしていくほうが忘れやすい。
記憶は「消去」ではなく「上書き」で消します。
記憶を上書きするには、「嫌なこと」を思い悩んで動かないより、気分転換に別のことをしたほうがいい。
何か別のことに没頭すると、嫌なことを忘れています。
何かを覚えるとき、耳から聞いたほうが覚えやすい人もいれば、目で見たほうが覚えやすい人がいます。
記憶するとは、情報を入力するということです。
聴覚からの情報入力が得意な人もいれば、視覚からの情報入力が得意な人もいます。
情報入力において、どんな方法が自分は優位なのか。
聴覚優位な人は聴覚からの情報で記憶を上書きします。
視覚優位な人は視覚からの情報で記憶を上書きします。
自分に合った情報入力で記憶を上書きするほうが、上書きされやすいです。
忘れようとしても、過去の記憶がふっと頭の中に出てくることがあります。
嫌なことの記憶が、音声で再生されるときもあれば映像で再生されるときもあります。
記憶の再生が音なのか映像なのか。これは人によります。
やはりここでも聴覚優位と視覚優位に分かれるわけです。
嫌な記憶が音声で再生されたら、
楽しい音や好きな音を頭の中でかぶせてみましょう。
嫌な記憶が映像で再生されたら、
楽しい映像や好きな映像を頭の中でかぶせてみましょう。
そうやって、「嫌なこと」の「嫌レベル」を下げていくのです。
あえて紙に書いてみることも、忘却につながることがあります。
紙に書くと、要点がまとまってすっきりします。
すっきりすると、納得できて忘れることがあります。
「嫌なこと」の一部は、「腑に落ちないこと」「不安なこと」も含みます。
紙に書くことで、「腑に落ちて」「不安じゃなくなる」とやはり「嫌レベル」が下がります。
とは言うものの、いろんな方法を使ってもやはり忘れるにはそれなりの時間が必要なものです。
今すぐ一瞬にとはいかないものです。
そう考えると、
日頃から「忘れっぽい」性格になっておくとお得かもしれません。
「嫌なこと」というのは、自分にとって危険だったり都合が悪いことだったりします。
生き物として、危険なことや都合の悪いことを察知するのは生き延びるために必要な感覚です。
そのため、
人は「楽しいこと」より「嫌なこと」のほうが記憶に残りやすいです。
これは生物の本能です。
出来事を「嫌なこと」として捉えがちだと、記憶にも残りがちです。
忘れっぽくなるためには、ポジティブ思考でいる必要があります。
コップに半分入った水を見て、「まだ半分もある」と考えるか「もう半分しかない」と捉えるかというのはよくあるたとえ話です。
人は同じ状態に対しても違った感じ方をします。
物事はいろいろな捉え方があります。
日頃からポジティブでいることが「忘却力」を高め、「忘却力」が高まることでポジティブさを促進します。
大切なのはそうやって良い循環を生み出していくことです。
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