容姿端麗でいい家に住んでても科学的には幸せとは限らない

意外に個人の幸福度と無関係な事柄をピックアップします。



1. 外見が良くても幸せとは限らない

心理学者のエド・ディーナー氏らの調査によると、
「自分が自分の人生を幸せと感じることができるか否か」と「他人から容姿端麗に見られるか否か」は無関係だそうです。

幸せの程度を聴取した後、その人達の容姿を別の人達に評価してもらいました。
結果、幸せと感じる程度と人々が評価した容姿のレベルに関連性はなかったそうです。

幸せに生きるために必要なのは、「他人に美しく見てもらえるか」ではなく「自分で自分を美しいと思えるか否か」だそうです。

そして「自分で自分を美しいと思えるか否か」は、単純な外見だけでなく、自分を肯定してくれる周囲の存在とか自分の人生の成功体験など心の持ち方が影響しそうです。

このように考えると、整形や化粧にお金をかけることが必ずしも幸せに結び付くとは言えないようです。


2. 生活レベルが高くても幸せとは限らない

アメリカ人を対象にした調査で、幸福度を10点満点で答えてもらったものがあります。

1940年代、人々の平均的な幸福度は7.5点でした。
2000年代になると平均点は7.2点でした。

ちなみに1940年代のアメリカの家庭の3分の1はトイレやシャワーが共同の物しかなく、大学に行く人は全体の5%程度。

今の世の中はたくさんの便利な道具に溢れています。
けれど、家が広くなって、便利な物が増えて、生活がハイテクになっても、私達が幸せになれるわけではないようです。


3. お金が多くても幸せとは限らない

お金が人生の目標になってしまうと、長期的には人生の幸福度は下がる傾向があります。

全米の18歳の大学生1万2千人を対象にした調査があります。
大学生の時点で人生おける願望を聴取し、その約20年後、彼(彼女)らが37歳になったときの幸福度が調査されました。

お金儲けなどお金に関することが人生の目標になっている人ほど幸福度が低くなっていました。

ちなみに先ほどの調査において1940年代は2000年代前後と比べると人々の月収は半分くらいでした。

お金が増えることやお金を増やそうとすることは必ずしも幸せには直結しないようです。


4. まとめ

人生をより幸せに生きるためには、自分の内面からの価値観を変えることの方が効率的です。

広い家に住む。容姿端麗でいる。お金をたくさん稼ぐといった自分の外側のことばかりに目を向けていると、それにとらわれて日々の満足感はむしろ減ってしまいます。

結局のところ人生というのは、「自分は不幸だ」と思いながら死ぬよりも、「幸せだなあ」と日々感じながら人生を終える方がやはり幸せだと思います。

つまり「自分が幸せと思えるかどうか」がまず重要です。

そのためには「自分が何に幸せを感じるか」を知ることが大切です。

そして「いつか」ではなく「いま」の中で幸せと感じることが大切です。

「今より綺麗になったら」
「今より豪華な家に住めたら」
「今よりお金を稼げたら」
「いつか、こうなったら・・・」と幸せを後回しにしていても、その「いつか」はなかなか来ないものです。

「今が幸せで、未来も幸せ」という意識を持つことが大切なわけです。


5. その他の記事

「幸せ」に影響する3つの要因

「美貌格差 生まれつき不平等の経済学」を読んで学んだこと

幸せになるために有効な3つのこと~心理学の研究より~


6. 参考資料

ソニア・リュボミアスキー『幸せがずっと続く12の行動習慣』日本実業出版社、2012年

テキストのコピーはできません。