したことより、「しなかった後悔」のほうが大きい理由

コーネル大学のトマス・ギロヴィチは、人々に人生を振り返って一番後悔することは何か答えてもらう調査をしました。

結果、上位3項目は、
・学校で真面目に勉強しなかったこと
・大事なチャンスをものにしなかったこと
・友人や家族を大切にしなかったこと

だそうです。

また人々の回答を総合すると、全体の75%が自分がしなかったことに対する後悔でした。

人は人生で「したこと」に関する後悔は25%程度で、「しなかったこと」に対する後悔が75%も占めるのです。


しなかったことに対する後悔


詩人、ジョン・グリーンリーフ・ホイッティアの言葉で、
「全ての悲しい言葉の中で、最も悲しいのは『あのとき、ああしていたら』という言葉」というものがあります。

したことに対するマイナスというのは明確です。

一方で、しなかったことに対するマイナス面は予想でしかありません。そのため自分が限りなく可能性を失ったように思ってしまいます。そしてそれが一生続くのです。


行動したほうがいい


迷ったら行動したほうが後悔は少ないでしょう。

・頑張ろうか迷ったら頑張りましょう。
・会いたい人には今アポをとりましょう。
・感謝の言葉はいま述べるのです。
・謝りたいことがあるなら今です。
・行きたい場所に行きましょう。
・買いたいものは後回しにしないで。
・使いたいことに時間を使いましょう。

まずは行動することです。

そしてもしも行動して失敗したら、やっぱり行動するのです。
失敗に対して、次はどうするか考えて、動くのです。

外国のことわざで、
「何かを始めるのに一番いいタイミングは生まれた瞬間。二番目にいいタイミングは今この瞬間」というのがあります。

もしも以前からしたいことがあってそれが今までできていないなら、いま行動を起こすのが未来に対して一番ベストなのです。


それでも後悔してしまうなら


それでも行動することで後悔するなら、今は行動していても、過去のしなかったことの後悔を引きずってしまうなら、もう少し今の自分を肯定しましょう。

「幸福とは欲しいものを手に入れることではなく、今あるものを好きになること」という格言があります。

「いつかどこかにある誰かの何か」を追い求めても、人はいつまでたっても幸せにはなりません。今この瞬間の幸せを感じながら前に進むのです。

しなかったこと後悔よりしたことの後悔のほうが小さくて済みます。

けれどしたことに対して「もっと」「まだ」と満足できないといつまでも報われません。

最上志向型人間は常に周りと比べて「もっと」「まだ」と考えます。

けれど人は、自分の満足の基準をしっかり把握し、ある程度のところでそれを気に入るという段階が必要です。そのような人間を満足型人間と言います。

「やるだけのことはやった」と思える人生が一番満足度が高いのです。






【参考文献】
リチャード・ワイズマン『その科学が成功を決める』文春文庫、2012年

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