最終回でアカネはなぜ立ち直れたのか?~SSSS.GRIDMAN 解説~

アニメ「SSSS.GRIDMAN」の解説です。
ネタバレも含みますのでご了承ください。



アカネはどうやって「退屈から救われた」のか。

アニメ「SSSS.GRIDMAN」は終盤から急展開します。

中盤までがけっこう丁寧な展開だっただけに、
終盤のストーリー展開はけっこう駆け足な感じも否めません。
まあ、それゆえに中だるみせずにテンポよく楽しめるという面もあるのですが。

そんなクライマックスにおいて、
やはりアカネが改心する過程はたたみかけるように過ぎていき初見だとほんとあっという間。

ということで、今日は
アカネの心が救われる過程を丁寧に追っていきます。


アカネの心が救われる過程の解説

以下、第12話であり最終話「覚醒」のクライマックスです。

アレクシスの内部にとらわれたアカネ。
グリッドマンの起死回生のフィクサービーム。


フィクサービームとはこの世界を修復する力。
この世界を作った、新条アカネの心を救う力だ!

「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

フィクサービームの力を借りてアカネの心に語りかけます。


「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

アレクシスの内部、アカネの自身の心の殻の中とも言えるでしょう。
閉じ込められているアカネ。


無理・・・
「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

独りで絶望しています。
怪獣も壊れ、街も壊れ、裕太を刺して精神的に追い詰められているアカネ。


私は、行けない・・・
「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

六花達から声をかけられるも、扉を開けることができないアカネ。


大丈夫。アカネは独りじゃないから。
「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

ここから一人一人の言葉が入ります。


みんな万能じゃないから、他人を必要とするんだ。
新条さんが誰かを必要とすれば、この街だってきっと広がっていく。

「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

3人の中で内海が意外と一番セリフが長いんですよね。

自分の無力さに悩んだり、それでも六花に励まされたり、「一般人」として裕太達を必要とし裕太達から必要とされた内海だからこその言葉ですね。

オタク趣味もアカネと合って、ある意味アカネと内海は共感できるポイントも多かったのでは。


この街だけじゃない。きっと新条さんの世界も。
「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

そして裕太から、現実世界だって自分の力で変えられるかもと希望を。


私に、広い世界なんて無理だよ!
「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

まあ、でも、そう簡単に説得はできないものです。



六花「だから私達を頼ってほしい。信じてほしい。
そのための関係だから」

「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

「友達」ではなくあえて「関係」という表現を使っているところがいいですね。
アカネに、互いの「関係」とはどんな「関係」なのか考えるきっかけになります。


私との、関係・・・みんな私の、私の・・・友達。
ここは私が作った世界だから、この世界に私はいちゃいけないんだ。自分の意思で帰らなきゃいけないんだ。

「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

そして回想シーンをはさみながらアカネが考えます。

アカネは自分の作った世界で自分の友達をたくさん作りました。
けれど、それは「自分が好かれるため」という一種のステータスのような意味でしかなく、その友達によって「自分が支えられている」ということに皮肉にも気づけていませんでした。

「お互いを思いやる」ということに改めて気づいたわけです。

そして自分の意思で帰る決意をします。

神様と作られた者ではなく、
六花達と対等な友達でいたいからこそ、お互いが自分の存在すべき世界にいて初めて対等な関係になれるのだと気づくわけです。


私の、

場所に。
「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

そしてアカネは自分の意思で扉を開けます。


まとめ


「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

こうしてアカネは自分の世界(現実の世界)に帰ります。

朝日を浴びながら現実世界に目を覚ます。

まさにサブタイトルの「覚醒」ですね。

非常に早いテンポの最終話ですが、1つ1つの言葉に重みはありますね。

キャッチフレーズである「独りじゃない。いつの日も、どこまでも。」や、オープニングの歌詞である「君を退屈から救いにきたんだ」からアカネを救うことが「SSSS.GRIDMAN」の大きな命題となっています。

しかしこの「アカネを救う」ことが単に「グリッドマン達がアカネを救おうとして」「アカネが救われる」のではなく、

アカネが他人を必要とすること、つまり「アカネ自身が助けを求めること」が「アカネが救われること」につながるところは深いですね。

素直に助けを求めるって、大人でも意外と難しいものです。

一人で悩まず助けを求める。
そのとき力になってくれる人は必ず居る。
誰もが独りではないわけですね。



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参考資料

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