記憶喪失前に六花と裕太に何があったのか?~SSSS.GRIDMAN 解説~

アニメ「SSSS.GRIDMAN」の解説です。
ネタバレも含みますのでご了承ください。




記憶喪失直前の裕太と六花とに何があったのか?

「SSSS.GRIDMAN 第1話」(Abema TV)より引用

 記憶喪失前に六花と裕太には何があったのでしょうか。

 記憶喪失直前の裕太と六花との間に何があったのか本編で具体的に語られることはありません。

 このため視聴者の想像に任せる形をとり絶対的な答えはありませんが、物語全体のやりとりを汲み取ると

 裕太が告白した、あるいは恋愛関係を進展させる何か(例えばデートに誘う)があったということが考えられます。



解説

裕太の恋愛感情

「SSSS.GRIDMAN 第4話」(Abema TV)より引用

 裕太は六花のことが(恋愛対象として)好きです。

 これは本編(裕太とマックスとの会話)やボイスドラマにて明らかに語られています。

 本編の裕太の正体は裕太に乗り移ったグリッドマンではありますが、その言動には本来の裕太の心も反映されていることは最終話でも示されています。

 このためグリッドマンが乗り移っていない本当の裕太も六花のことが好きと考えられます。


六花と裕太の恋愛関係

 グリッドマンがなぜ裕太に乗り移ったのかという点は、はっきりとは言わないものの裕太が他の人々と異なる点があったことが本編で述べられます。

 「SSSS.GRIDMAN」の世界は、人々がアカネを好きになるように設定された、アカネの作った世界です。

 そんな世界においてクラスメイトであり席が隣というアカネと近しい存在でありながら、裕太は六花のことを好きになります。

 このように、裕太が六花に恋愛感情を持っていることは物語において重要な点であり、第1話の六花のぎこちなさも考慮すると記憶喪失前に二人の恋愛関係を進展させる何かがあったと考えるのが自然であることがわかります。

 記憶喪失前の二人の出来事を考えるための材料は本編およびボイスドラマにおいて多々ありますが、特に参考になるのは第1話・第4話・第8話・第9話・第11話・第12話あたりとなっています。

 以下に見ていきます。



各話の伏線の解説

第1話「覚・醒」

「SSSS.GRIDMAN 第1話」(Abema TV)より引用

 第1話、裕太の初登場時点で裕太は六花の家で目を覚まします。
 すでに記憶喪失となっています。

 病院へ向かう途中、
「記憶がないってことはさ、今日のこと、全部覚えてないってこと?」
「でも、もし記憶喪失のフリだったら最悪だかんね」
 と六花は裕太に言います。

 明らかに意味深な発言。

 さらに、コンビニの前にて互いの関係性を「友達?」確認する裕太に対して六花は少し寂しそうあるいは悲しそうな表情をした後に「悪いけど、響君と同じクラスになって初めてこんなにしゃべった感じだよ」とちょっと冷たい不機嫌そうな言い方をします。


第4話「疑・心」

「SSSS.GRIDMAN 第4話」(Abema TV)より引用

 六花が合コンに行くことに動揺する裕太。
 裕太の六花に対する恋愛感情が明確に描写されています。


第8話「対・立」

「SSSS.GRIDMAN 第8話」(Abema TV)より引用

 バスの中の六花とアカネの会話にて、この世界の人物がみなアカネに好意を持つように設定されていることが述べられます。


第9話「夢・想」

「SSSS.GRIDMAN 第9話」(Abema TV)より引用

 アカネによって都合の良い夢を見せられるグリッドマン同盟。

 それぞれにとって都合のよい夢の中で、裕太は(六花ポジションの)アカネと恋人同士になっています。


第11話「決・戦」

「SSSS.GRIDMAN 第11話」(Abema TV)より引用

 グリッドマンが乗り移ったのがなぜ裕太だったのか。
 それを裕太はグリッドマンに尋ねます。

 これに対しグリッドマンは
「彼だけが新条アカネの世界で・・・」
 と言いますが、ジャンクの調整の関係で最後まで述べられることはありません。

 しかしながら、
 この世界でアカネが想定したこと以外の何かを裕太が持っていたことは明らかです。

 その何かとは、おそらく六花に対する恋愛感情。

 記憶喪失の関係もあって裕太という人間の描写は本編でほとんどされず、扱われたところといえば六花に対する恋愛感情くらい。

 人々がアカネを好きになる世界において裕太は六花のことを好きになった。

 ゆえに私情をはさまず純粋に正義としてアカネと対峙できる存在として裕太が選ばれたわけです。

 このように考えると、
 裕太の恋愛感情を決定づける何か(例えば告白)があったと考える方がしっくりくるわけで、その出来事は裕太にグリッドマンが乗り移る直前であったと考えられます。


第12話「覚醒」

「SSSS.GRIDMAN 第12話」(Abema TV)より引用

 グリッドマン達が自分達の世界に戻る別れの場面。

 グリッドマンは
「私が宿ってもなお、六花への思いは変わらなかったように」
 と言い、照れる六花。

 さらに、その後に内海がグリッドマンが裕太に宿った理由について考える際、

 六花は裕太がアカネの隣の席であった点を言って、「たぶんそれだけじゃないと思うけど」と付け加えます。

 そして学校での回想シーンが入ります。

 裕太がアカネと席が隣でありながらアカネには興味もなく、六花のことを気にかけていたことを六花は知っていた様子です。



まとめ

「SSSS.GRIDMAN 第5話」(Abema TV)より引用

 記憶喪失直前に、裕太と六花との間に何かがあったことは明らかですが、それが本編で具体的に説明されることはありません。

しかし物語全体から察するに、

  1. アカネは以前から怪獣によって街を破壊・再生させ都合のよい世界を作っていた。
  2. その過程の記憶は人々から消去され、ゆえに今まで誰も気づいていなかった。
  3. 世界を作ったアカネだが、そこで生まれる偶然の要素はコントロールができない。
  4. 人々はアカネに好意を持つように設定されているが、偶然にもアカネに興味が向かず六花に恋愛感情を持った裕太という人物がいた。
  5. 裕太は六花に告白(あるいはそれに近い行動)をした。
  6. アカネに近しい存在でありながらアカネ以外に好意を持った人物が確定。
  7. グリッドマンが裕太に宿る。
  8. 裕太、記憶喪失。

といった流れになるのではないかと思います。

 これは六花目線で言うと告白された後に偶然に裕太が記憶喪失になるというなんとも間の悪いタイミングですが、

 実際は2人の関係性が進展してから裕太が記憶喪失になったのはある意味必然であることがわかります。



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参考資料

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