1. 人の幸福を左右するもの
心理学的に、人の幸福を左右するのは、
「遺伝による感じ方」が50%
「自分の行動」が40%
「環境」が10%
と言われています。
「お金持ちになる」とか「大きい家に住む」といった類いは上記の「環境」に該当するので、私達が普段求めているものが幸せに影響する割合は小さいことがわかります。
2. 大切なのは、どのように自分が感じるか
・裕福か貧乏か
・健康か不健康か
・器量がいいか悪いか
・既婚者か独身か
心理学的に、こういった個人の状況の違いは本人の幸福感の10%くらいしか影響しないと言われています。
海外10カ国を対象にした調査によると、自分の毎日が「とても幸福だ」と感じる人は既婚者で25%、独身者で21%でした。意外と大して変わらないわけです。
結局のところ、どんな状況かより、どのように自分が感じるかという心の持ち方が幸福にはより影響するようです。
3. 幸福度スケール
さて、そんな幸福度が自分はどのくらいなのかを知る目安として、心理学者のソニア・リュボミアスキー氏による幸福度スケールというものがあります。
以下の設問に1~7点で答えていくものです。
【問1】
全体として、自分はとても幸せな人間だと思う。
【問2】
たいていの同僚と比べて、自分は彼(彼女)らより幸せだと思う。
【問3】
全体としてとても幸せだと思う人は、何が起きても人生を楽しみどんなことも最大限に活用します。自分もそのような性格に大いに当てはまると思う。
【問4】
全体としてあまり幸せでないと思う人は、落ち込んでいるわけではないが願っているほど幸せにはなれません。自分はこのような性格はまったく当てはまらないと思う
例えば問1なら、「幸せな人間だと思わない」なら1点、「とても幸せな人間だと思う」なら7点をつけます。
当然、「幸せとも不幸とも思わない」なら真ん中の4点です。
気をつけるのは、問4の場合は「幸せでないと思う人の性格に、自分はまったく当てはまらない」と思った場合に7点。逆なら1点です。
4つの設問の合計点を4で割ったのがあなたの得点です。
リュボミアスキー氏の調査によると、
平均点は4.5点~5.0点。
ちなみに社会人は5.6点、大学生は5点よりちょっと下回るくらい。
若さを持ち、時間的に余裕があるはずの大学生のほうが、幸せの実感は低いのですね。
4. まとめ
以上のように、より幸せになろうと思ったとき、環境を変えることから頑張るのは意外と効率が悪いようです。
まずは自分の心の状況を見つめてみると、意外な発見があるかもしれませんね。
5. その他の記事
6. 参考資料
ソニア・リュボミアスキー『幸せがずっと続く12の行動習慣』日本実業出版社、2012年