ゾイド 第11話「イセリナの霧の中で」あらすじを解説|ゾイド -ZOIDS-(初代アニメ無印)

初代アニメである「ゾイド -ZOIDS-」に関するページです。
ネタバレも含みますのでご了承ください。




第11話「イセリナの霧の中で」あらすじ

概要

最獣要計画「ゾイドワイルド」起動!(YouTube)より引用

 お姉ちゃんがこの山を下りる日、私にこう言ったわ。
 いつか世界が、この山のように平和になる日が来る。
 そのために私は戦ってくるって。

ローザ(ゾイド-ZOIDS-第11話)より引用

 ヴィオーラのふるさとであるイセリナ山が舞台となる第11話。

 戦闘自体はそこまで派手ではありませんが、丁寧な構成の人情劇でゾイドにおける神回の1つだと思います。


あらすじ

 共和国の首都を目指すため、イセリナ山を越えることになったバン達。
 
 霧が薄い間に出発を急ぐムンベイ達と、空腹でたまらないバン。
 空腹せいで幻覚を見たバンを追いかけるため、アーバインとフィーネは霧の中を追いかけはぐれてしまいます。

 バンとムンベイはアーバイン達を探す中で、イセリナの村人であるローザと出会います。
 ローザは自慢の姉のことをバンに話します。

 そこへジークを奪いにやってきたヴィオーラ達。
 ヴィオーラにとってはロッソが捕らえられた恨みもあります。

 しかしイセリナはヴィオーラの故郷であるため、空爆を避けてバンを谷におびき寄せます。
 濃霧の中で優勢に戦うヴィオーラですが、ローザのゴドスが介入しシールドライガーが勝利します。

 破損したレドラーから出てくるヴィオーラ。
 バンと対峙する中、レドラーのパイロットが実の姉であったことを知るローザ。
 軍人ではなく盗賊である姉に戸惑うローザ。
 状況に葛藤するヴィオーラとバン。

 悩んだ末、バンは自身が盗賊でありヴィオーラは自分達を追ってきた帝国軍であるという嘘をつきます。

 敵であるバンの配慮に戸惑うヴィオーラですが、ロッソのことがよぎったこともありバンの嘘に合わせます。

 盗賊のふりをして逃げるバン。
 ムンベイも助けに入りますが、逃げ切ったあとに手厳しい一言。

 一方で村に立ち寄ったヴィオーラ。
 長老からも受け入れられますが、罪悪感からかヴィオーラの表情は晴れず、「任務で立ち寄った」と嘘をつきます。



解説

ゴドスの登場

 ゴドスにスポットライトが当たった回である第10話。

 ゾイドのデザインはその当時の恐竜に関する生物学の影響を受けていて、ゴドスなど旧来のゾイドは尻尾が地面についたゴジラのような外観。
 比較的新しいものはジェノザウラーのような完全な二足歩行となっています。


怖がるジーク

 空腹で幻覚を見るバンや、ゴドスの影を魔物と勘違いし怖がるジーク。
 前回の民間人に主砲を打ってしまうドクターDとアーバインもそうですが、ゾイドは意外とギャグパートもしっかり作りこまれている印象です。


プテラスを落とすシールドライガー

 メタ的にはシーンの使いまわしですが、ハーマンのときと同様に初見ではライガーのジャンプに対応できないプテラス。

 ジークがシールドライガーのスペック以上の力を引き出していることがわかります。


ムンベイの助言

 痛いかい?
 でもさぁ、その痛みが生きてるってことなんだ。
 今の時代にその甘さは命取りだよ!
 お前には生きる目標があるんだろ?
 だったら、その痛みをよーく覚えておくんだね。

ムンベイ(ゾイド-ZOIDS-第11話)より引用

 丸腰でヴィオーラを説得しようとするあたり、バンの罪を憎んで人を憎まずの精神が読み取れます。

 そしてその姿勢に手厳しいけれど適切な助言をするムンベイ。
 しかし同時にバンをさらにムンベイが信頼する描写も見られます。

 これまでバンとアーバインの関係性は度々描写されてきましたが、ここにきてバンとムンベイの信頼関係も描かれます。


ヴィオーラを受け入れる長老

 じゃが、ローザの連れてきた人間なら、わしらはきっと歓迎するさ

イセリナ山の長老(ゾイド-ZOIDS-第11話)より引用

 長老の言動から、イセリナ山の村が閉鎖的な風習を持っていることがわかります。
 しかし同時に、その閉鎖的な風習にとらわれず人を大切にする長老の柔軟さも読み取れます。

 霧の影を利用して戦うレドラー。
 そのレドラーを光で反射されるために序盤に描写されていた村の太陽光パネルと持ち出すゴドス。
 民間人ながら戦闘に参加するローザの正義感は、おそらく姉を誇りに思うがゆえでしょう。

 そしてバン達を迎え入れた言葉と同じ言葉でヴィオーラを受け入れる長老。

 当時を考えれば明らかに高コストであるCGを使いながら、加えて味な演出と無駄のない伏線回収。
 まさにゾイドの第11話は地味ながら神回です。



参考資料

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