今日は「幸せ」とそれを成す要因について考えます。
幸せってなんでしょう?
お金がたくさんあることでしょうか?
けれどお金持ちでも孤独で悲しそうな人はいますね。
家族に恵まれることでしょうか?
けれど家庭に疲れて愚痴ばかりの人もいますね。
仕事が充実することでしょうか?
けれど仕事ばかりの人が死に際に後悔することは「もっと休めばよかった」「自分の時間をとればよかった」といった類いだそうです。
どうやら万人に共通する「これがあればOK」という「幸せの条件」みたいなものはないのかもしれません。
しかしながら、少なくとも、
自分の人生を終えるときに「満ち足りた人生だった」と笑顔になれればそれは素晴らしいことなのではないでしょうか?
今日という1日の終わりに、「今日も幸せな1日だった」と思って眠りにつけたら幸福なことなのではないでしょうか?
日々、「人生は楽しい」「幸せだなあ」と感じることができたら、それは素敵なことなのではないでしょうか?
「幸せ」に「条件」はありません。
あなたが幸せかどうかは何かの「条件」が決めるのではなく、あなた自身が決めることなのかもしれません。
人の幸福を左右する要因は3つあります。
「遺伝による感じ方」「自分の行動」「環境」です。
人の幸福を左右するのは、
「遺伝による感じ方」が50%
「自分の行動」が40%
「環境」が10%
と言われています。
同じ食べ物を食べても、「おいしい」と感じる人もいれば「おいしくない」と感じる人もいます。
もっと言うと、
「おいしい」も「100点のおいしい」の人もいれば「20点のおいしい」の人もいます。
同じ出来事でも、幸せの感じ方というのは人によって違います。
幸せの感じ方は遺伝によります。
注意したいのが、
ここで言う「遺伝」というのが「IQの高さ」とか「容姿」とかではないということです。
例えば似たような容姿の人でも、自分のことを「わかいい」と思えて毎日を活き活きと生活できる人もいれば、「ブサイクだ」と自身が持てず引きこもる人もいます。
幸せに影響する遺伝とは、この感じ方のことなのです。
遺伝に次いで幸福を左右するのが自分自身の言動です。
どのように考え、どのように行動するか。
遺伝は自分ではどうしようもありません。
けれど言動は変えられます。
どんな言動が幸福度を高めるでしょう?
以下はアメリカの心理学者ソニア・リュボミアスキー氏が調査した、
「不幸を感じる人」には見られず「幸福を感じることができる人」がとっている言動です。
・家族や友人と多くの時間を過ごしている
・家族や友人といった人間関係を大切にしている
・人に対して感謝を表すことが苦にならない
・同僚や通りすがりの人にも親切にできる
・楽天的に未来を考える
・「今」を生きようとする
・運動をすることが習慣化している(毎日とか毎週)
・生涯にわたる夢や目標がある
・目標に全力を尽くしている
環境要因は幸せに10%しか影響しません。それなのに
私達は幸せになるためについつい環境を変えることに労力をかけ過ぎてしまいます。
給料が上がれば幸せになるはずと遅くまで残業します。
これを身に着ければ自分が変われると高級なブランド品を買います。
「夢の」「マイホーム」を買うためにローンを組みます。
私達は幸せは環境で大部分が決まると思いがちで、
けれど実際はその影響は全体からみればとても小さいのです。
西洋のことわざに、興味深いものがあります。
1日だけ幸せでいたければ、床屋へ行け。
1週間だけ幸せでいたいなら、車を買え。
1か月だけ幸せでいたいなら、結婚しろ。
1年だけ幸せでいたいなら、家を買え。
けれど一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。
環境を変えても、それに慣れてしまって思ったほど幸せは長続きしないものです。
あなたの幸せを決めるのは、遺伝が50%、言動が40%、環境が10%です。
遺伝は持って生まれたもの。
あとからどうこうはできません。
変えられないものにあれこれ悩むのはやめましょう。
環境は変えることができるかもしれません。
けれど全体の影響力を見れば優先順位は高くない。
私達がより幸せに人生を生きるためにまずすべきことは自分の言動を変えることです。
それが最も幸福の近道であることがわかります。
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【参考文献】
ソニア・リュボミアスキー『幸せがずっと続く12の行動習慣』日本実業出版社、2012年