アニメ「SSSS.GRIDMAN」の解説です。
ネタバレも含みますのでご了承ください。
アカネは裕太のことが好きだったのか?
「SSSS.GRIDMAN 第9話」(Abema TV)より引用
アニメ「SSSS.GRIDMAN」において、
アカネは裕太のことが好きだったのか?
アカネの気持ちについて本編で直接語られるシーンはありませんが、物語の文脈から推測するに、
アカネは別に裕太のことを恋愛対象として好きというわけではありません。
以下、もう少し詳しく。
視聴者はなぜ、アカネが裕太を好きなのかもと思ったのか?
そもそも、
私たち視聴者はなぜ「アカネが裕太を好きかも」と思ったのでしょうか?
この妄想(?)の最も大きなきっかけはおそらく第9話「夢・想」なのではないでしょうか。
第9話にてアカネは裕太・内海・六花にそれぞれ夢を見せてその夢の中に閉じ込めようと試みます。
裕太の夢の内容は、第1話の目を覚ました直後のシチュエーション。
六花とのやりとりがアカネに入れ換わっています。
「どういう関係? え、友達?」
「SSSS.GRIDMAN 第9話」(Abema TV)より引用
記憶喪失で状況を覚えていない裕太。
裕太はアカネにお互いの関係性を尋ねます。
「私達、付き合ってるんですけど」
「SSSS.GRIDMAN 第9話」(Abema TV)より引用
これに対し、「私達、付き合ってるんですけど」と答えるアカネ。
第1話の六花とのやりとりにはない展開ですね。
その後もキスをしようとしたり、デートをしたり。
裕太と六花のやりとりをなぞっているはずの夢が、アカネのときは恋人関係というオリジナル展開になっている。
このことから、
「アカネは裕太のことが本当は好きなのか?」
という疑問が視聴者に生まれます。
なぜアカネは裕太と恋人の夢の作ったのか?
最初はほとんど第1話のシチュエーションと一緒。
しかし途中から恋人関係という実際とは違う流れ。
このことから推測できるのは、
「アカネは裕太のことが好き」ではなく、
「裕太は六花のことが好きで、恋人関係になることを望んでいる」ではないでしょうか?
裕太・内海・六花それぞれの夢の内容を比較するとわかりやすいでしょう。
例えば内海。
日頃の言動や、立ち読みしている特撮雑誌をとっさに隠した様子を見ると、
内海は特撮ものやヒーローものが好きだけれど、「オタク」と思われたくないから隠している。
そんな内海が見た夢の内容は、才色兼備な女性が自分の趣味に意気投合してくれる夢。
さらに六花。
第4話の様子などから、六花としては中学の頃は仲が良かったのに最近は疎遠なアカネとの関係を寂しく思っている様子。
そんな六花の見た夢は、アカネと高校生活でも仲良くしている夢。
つまり、
その人にとって都合のよい(望んでいる)夢を見せられているわけです。
裕太・内海・六花にとって都合のよい夢を見せるというのは、覚めない夢で閉じ込めたいアカネの戦略としても筋が通っています。
このように考えると、
記憶喪失前後のあのとき、裕太は六花と恋人になりたかったのではないでしょうか?
ただし作られた夢であったため登場人物は六花ではなくアカネだった。
このように考えると筋が通ります。
「キスとかしないんすか?」
「SSSS.GRIDMAN 第9話」(Abema TV)より引用
「うっそー」
「SSSS.GRIDMAN 第9話」(Abema TV)より引用
さらにこのような恋人らしいやりとりに対して、
「記憶喪失も、そんなに悪くないか」
「SSSS.GRIDMAN 第9話」(Abema TV)より引用
まんざらでもなさそうな裕太。
まとめ
本編全体を通しても、裕太が六花を好きな描写は多々ありますが、アカネが裕太に恋愛感情を持つような描写はありません。
第9話「夢・想」の3人の夢を比較するに、
裕太がアカネと付き合っていた理由は「裕太がそれを望んでいたから」
もっと言うと、
「六花と付き合えたら」という裕太の願望を利用して、アカネは裕太を覚めない夢に引き込みたかったのでしょう。
しかし偽りの夢を見せるためにはアカネが演じる必要があり、結果としてアカネが六花役になって恋人役になったといったところでしょう。
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