「SSSS.GRIDMAN」第3話「敗・北」のレビューや感想、見どころなどを解説したり考察したりします。
ネタバレありなのでご了承ください。
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第3話「敗・北」のレビュー
多くのアニメは各話の構成がいずれかに分類されるのではと思います。
- 神回(下記をバランスよく含んだ最も見どころのある回)
- 重要回(盛り上がりがあったり伏線回収がなされる回)
- 説明回(物語全体の理解に必要な回。説明や伏線が出てくる、キャラ初登場など)
- 心情描写回(登場人物の内面の成長や心情の掘り下げに時間を割く回。修行や過去話など)
- 単発回(見なくても前後関係に支障がない回。)
後も継続して登場する「アンチ」や「新世紀中学生」など以降のストーリーを理解する上で避けて通れない要素が多く登場する意味で「説明回」的な側面もありますが、
「SSSS.GRIDMAN」における第3話「敗・北」は「心情描写回」のお話だと思います。
裕太が(人間かもしれない)怪獣と戦うことに躊躇したり、
内海と六花が男女の性格の違いをリアルに再現した喧嘩のシーンがあったり、
第3話「敗・北」は登場人物達の心の揺れ動きに尺を割いた回であることがわかります。
第3話「敗・北」のあらすじと位置付け
あらすじ
内海の何気ない一言から、「怪獣は実は人間なのではないか」と考え、怪獣を倒すことに躊躇する裕太。
そんな迷いもあり、自我を持つ怪獣アンチによってグリッドマンは敗北してしまう。
結果ジャンク内から戻ってこない裕太を心配し、冷静になれず言い争いになってしまう内海と六花。
しかし新世紀中学生の助言もあり裕太と再度連絡を取ることに成功。
マックスの力により、マックスグリッドマンとしてアンチと再戦。
勝利を収める。
作品における位置づけ
アシストウェポンであり新世紀中学生であるマックス・ボラー・ヴィットの初登場。
アカネ側も、オートインテリジェンス怪獣であるアンチが初登場。
この第3話にてメインとなる登場人物がおおむね出揃います。
そういう意味では、
第1~3話までが「SSSS.GRIDMAN」の設定の土台となります。
さらに「SSSS.GRIDMAN」においては、単に怪獣と戦うことから一歩踏み込んで、怪獣を生み出してしまう「アカネの心」を救うことが重要であるという展開に後半なるのですが、
まずはその第一段階である「怪獣から街や人を守る」という姿勢が第1~3話で固まります。
第3話「敗・北」の見どころと解説
アンチが気になる六花
アンチのことを気にかけてお弁当を差し出す六花。
確かにアンチの見た目は六花より年下。
けれど、
女子高生の六花が初対面の男の子に自分の弁当を差し出すのはちょっと行き過ぎた気遣いのような気がします。
しかも、手づかみでむしゃむしゃ食べているような様子を見ても六花は引いていない。
このような六花の言動は「親切な女子高生」だけではちょっと説明がつきませんよね。
おそらく、
六花は怪獣であるアンチに無意識に共感を感じていたのではないでしょうか。
後の話で明らかになりますが、
六花はアカネによって怪獣から生まれた存在です。
そのため六花の青い目には、怪獣を受け継いだ証拠である赤い色が混ざっています。
また、六花はアカネにとって特別に作られた存在です。
アンチも他の怪獣と異なり、自我を与えられた特別な怪獣。
六花もアンチもアカネにとって特に設定を凝らせて作られた存在であり、ゆえに六花とアンチは自分の存在理由にアカネが深く関わっています。
そういった経緯から六花はアンチを放っておけないのかもしれません。
オートインテリジェンス怪獣「アンチ」
第3話以降、頻繁に登場することにアンチ。
アンチはオートインテリジェンス怪獣です。
詳細は別記事で書きましたが、
要するにアンチは他の怪獣と違って自我を持つ怪獣です。
マックスグリッドマン
グリッドマンがマックスと合体することで完成する「マックスグリッドマン」。
第3話はマックスグリッドマン初登場回でもあります。
グリッドマンと単独で合体するパターンでは、
キャリバーが前回と今回で計2回。
マックスが今回と次回で2回。
ボラーとヴィットはそれぞれ1回ずつになっています。
まとめ
そんな感じで、主要人物が出揃い次回以降の展開が楽しみな「SSSS.GRIDMAN」。
サブタイトルである「敗・北」は前半のグリッドマンの敗北を意味していると考えられますが、
後半に再戦して負け、アカネにあまりにも冷たくされるアンチを見るとそういう意味での「敗北」なのかなと思ってしまったりもします。
そしてアンチの敗北はアカネの敗北も意味します。
次回である第4話で、単に怪獣を出すだけでなく六花達にグリッドマンの探りを入れるというように、アカネのスタンスは変化します。
そう考えると、
この第3話は単純に怪獣を作って街で暴れさせるという行為ではグリッドマンを倒せないという「今までのアカネ」の「敗北」でもあるのかもしれません。
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