「今日からダイエットだ!」「頑張って痩せるぞ!」
と精神論のみでダイエットを行うのも悪くはありませんが、なかなか続かないものです。
ダイエットにせよ何にせよ、
方法を工夫することは目標達成のプロセスには大切です。
今日はダイエットに役立つ心理学的所見をまとめます。
関連記事:ダイエットを成功させる心理学 ~底なしスープの実験から~
食べる速度は食べる量に影響します。
これについて調べたのがペニングトン生物医学研究所のコービー・マーティンです。
実験で被験者に数種類の速度で食事を摂ってもらいました。
実験の結果、
いつもより遅い速度で食べると男性は食べる量が減りました。
しかし女性は変化がありませんでした。
一方で、
はじめはいつも通りの速度で食べて、途中から速度を遅くしていくと、男女ともに食べる量が減ったそうです。
食事の後半のペースをゆっくりにすることで、満足度は保ちながら食べる量を減らすことができるのです。
お酒を飲むなら、細長く背が高いグラスがおすすめです。
背の低い広く口のグラスは、背が高い細長いグラスよりも注ぐ量が多くなりがちで、飲む量も増えてしまいがちです。
これはグラスの中の見た目が原因です。
見た目がたくさん見えるからついつい多く注ぎがちで飲み過ぎてしまうのです。
食べ物が手の届くところにあると、ついつい食べてしまうものです。
チョコレートをオフィスのどこに配置するかで消費量がどう変化するかを調べた実験があります。
チョコレートを社員の2m以内の近い位置に配置した場合、
そうでない場合より消費量が6倍に増えたそうです。
また、チョコレートを透明な容器に入れておくと、
不透明な容器に入れる場合より消費量が46%増しになったそうです。
食べ物を遠ざけることはダイエットに有効でしょう。
テレビを見ながら、スマホをいじりながら。
「ながら食べ」は無意識に食べる量を増やします。
映画に夢中になるほど、手元にあるポップコーンの消費量は増えるそうです。
また別の実験では、
おもしろい会話をしながら食事をする人は、黙って食べる人より食事量が15%増したそうです。
食事の時間を楽しく過ごすことは大事ですが、
その一方で自分が今食べているものをしっかり味わうことも大切なようです。
「お好きなだけどうぞ」とアイスクリームをスプーンですくってもらいます。
このときのスプーンの大きさがアイスの量に影響するようです。
大きなスプーンほど食事量が増えがちです。
食器は小さいもののほうがダイエットには効果的です。
しかしながら、
「自分はダイエットのために小さい食器を使っている」
「小さい食器を使ってるから食べるようが減っているはず」
と意識しすぎるのは逆効果です。
これは「低カロリー」や「ダイエットサイズ」などのうたい文句もそうですが、ダイエットを過剰に意識した上での選択は「だから食べていい」という発想につながり逆に食べ過ぎてしまいます。
食器を小さくするのはあくまで習慣化することが大切です。
食事をする前や、食料品を買う前に自分の顔や体型を鏡でみると過剰摂取を避けることができるそうです。
これは鏡で自分を確認することでダイエットの意識を促せるからです。
一方で、ジムに行ったり運動しているときは鏡で見ない方がいいです。
運動はダイエットには大切ですが、
運動したからといって今日すぐ効果がでるものではありません。
継続が大切なのです。
鏡を見ると、ついつい「変化がないなあ」と思いがちで運動のモチベーションが下がってしまいます。
スポーツなど運動を行うことは大切です。
しかしもっと身近に、日々の生活の動作を意識することも大切です。
立つ・歩くといった基本動作。
姿勢を正し、それを維持するだけでもけっこうカロリーを消費します。
炊事・洗濯、家事を行う際に身体の動きを意識するだけでも違います。
自分が食べた物、痩せた体重など
ダイエットに関する記録をつけることは効果的です。
しっかりとしたものでなくてかまいません。
メモ程度のちょっとしたものでもかまいません。
紙に書くのが面倒なら、スマホのメモ機能でもいいでしょう。
ダイエットに関して記録をとった場合、
とらなかった場合より2倍も体重が減ったというデータもあるようです。
【参考文献】
リチャード・ワイズマン『その科学が成功を決める』文春文庫、2012年