自分が持っているお金が多い人と少ない人がいます。
自分が持っているお金が多いか少ないかは人生に少なからず影響します。
しかしその一方で、
お金の使い方が上手な人と下手な人がいます。
お金の使い方が上手とはなんでしょう?
毎日の収支をきっちり把握できる人。
資産運用で自分のお金を増やせる人。
お金を上手に使うという、その「上手」の意味は人によって様々です。
ここでは「お金を上手に使う」ことを、
「自分が幸せになるために効果的にお金を使うことができる」
としましょう。
世の中にはお金では買えない幸せがあります。
一方で、お金で買える幸せもあります。
お金で買えない幸せに価値を見出すのは大前提として、
お金で買える幸せがあるなら買ったほうがいいでしょう。
世の中にはお金で買えない幸せがあるのですから、
お金で買える幸せは安いものです。
不幸せなことにお金を使うよりは、
幸せなことにお金を使いたいものです。
500円のお菓子で幸せになれる瞬間があります。
一方で、1000万円の車に乗っていても不幸そうな人がいます。
お金を少なく使うより多く使うほうが幸せかというと必ずしもそうではないようです。
どうやら、単に高額・高級なものにお金を使うのではなく、
お金を何にどのようにどのくらい使うかで、私達の幸せの感じ方も変わるようです。
大切なのは使い方です。
あなたの財布の中に入っている100円玉。
この100円玉を最も効果的に使うにはどうしたら良いでしょう?
月末に入ってくるあなたのお給料。
これをどのように使えばあなたは幸福な1か月を過ごせるでしょう?
同じ金額のお金でも、使い方は重要です。
お金を上手に使うことは、幸せな人生を生きることと密接に関わっています。
「お金を幸せに使う」5つの工夫を見ていきましょう。
1.経験を買う
車を買う。服を買う。旅行をする。人と食事をする。
お金の使い方には、
物を買う使い方と
経験を買う使い方があります。
人間がより幸せを感じるのは、経験を買うときです。
ではどのような経験を買ったらよいでしょう?
(1)人とのつながりが生まれる経験
(2)思い出話になりそうな経験
(3)自分の理想に近づける経験
(4)チャンスを与えてくれる経験
以上のような経験をお金で買うことは、
高級な服やバック、娯楽を買うより幸せを感じることができるようです。
2.ご褒美にする
どんなに大好物な食べ物も、毎日食べていたら飽きてしまいます。
昨日食べた高級ステーキは、今日も食べれば「またステーキか」とありがたみは薄れてしまいます。
一方で、2時間炎天下で汗だくで運動した後の一杯の水のおいしさは格別でしょう。
何かを期待し、待つ期間があって、その後に手に入る物のよろこびは大きいです。
小学生の頃、遠足の前日はわくわくしたものです。
楽しいこと、大好きなご褒美があるとそれが手に入る前もあれやこれやと想像して人は幸せになるものです。
私達はお金を行き当たりばったりで使うべきではありません。
いつ、何を買うのか。
それを決めてお金を準備する。
そしてそれを買うまでの期間のわくわくも楽しむ。
自分と約束したご褒美としてお金を使うのです。
3.時間を買う
買い物に行きます。
家の近くのスーパーより、家から1時間の距離のスーパーのほうが買おうと思ったものが100円安かったとします。
もしそこであなたがわざわざ100円のために遠くのスーパーまで買いに行ってしまえば、あなたの時給は100円になってしまいます。
時間とお金は交換されがちです。
しかし、人生に大切なのはお金以上に、時間です。
やり方を工夫すれば、
お金で時間を買うことができます。
近いところで済ませる。
タクシーに乗る。
家事をやってくれる家電を買う。
そこで生まれた時間を、大切な人や好きなことのために使うのです。
ポイントは、
安易に時間でお金を買わないこと。時間を買うのです。
そしてその時間はゆとりを持って使うこと。
かつかつの、多忙な時間配分で幸せを感じることはできません。
4.先に支払う
人は慣れる生き物です。
新しい物を買っても、その高揚は意外と長続きしないものです。
買った後の幸せの期間に限りがあるなら、買う前も幸せを感じた方がお得です。
買う前も楽しむのです。
先に支払ったり、お金を事前に期間を決めてコツコツ貯めたり準備したりするのです。
ローンを組んだりクレジットで済ませてはいけません。
買う前もわくわくするのです。
5.人のために使う
自分が興味のある団体に寄付をする。
親しい人にちょっとしたプレゼントを贈る。
額は大きくなくてもかまいません。
人のためにお金を使うことは、あなたを幸せな気持ちにしてくれます。
人は人とのつながりの中で幸せを感じることができます。
お金もあなた一人で完結する使い方ばかりでは、幸せという観点からするともったいないです。
お金は人生の全てではありません。
結局お金は道具でしかないのです。
もしもお金を使うなら、
あなたやあなたの大切な人を幸せにする使い方をすることが、
あなたの人生をより充実したものにしてくれるでしょう。
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【参考文献】
・エリザベス・ダン、マイケル・ノートン『「幸せをお金で買う」5つの授業』中経出版、2014年