【目次】 [close]
「村上春樹」氏の小説
普段読書をしなくても、その名前は多くの人が耳にしたことであろう「村上春樹」氏。
村上春樹さんの小説の特徴は、まるで海外文学を翻訳したような洒落た言いまわしと比喩です。
また、物語の進行や結末がどちらかというとファンタジー的で抽象的で、人によっては「結末がわからない」ととる人もいるし、人によっては「いろんな解釈ができる深みのある作品だ」と思う人もいます。
いずれにせよ、
村上春樹さんの小説に出てくる言葉には、人生に役立ったり生き方を考えさせてくれる名言が豊富にあります。
今日は村上春樹さんの小説の名言集です。
「村上春樹」の名言集
ノルウェイの森
どのような真理をもってしても愛するものを亡くした哀しみを癒すことはできないのだ。
どのような真理も、どのような誠実さも、どのような強さも、どのような優しさも、その哀しみを癒すことはできないのだ。
われわれはその哀しみを哀しみ抜いて、そこから何かを学びとることしかできないし、そしてその学びとった何かも、次にやってくる予期せぬ哀しみには何の役にも立たないのだ。「ノルウェイの森(下)」(村上春樹)より引用
親友や恋人の死から強く立ち直ろうとする主人公。
けれど、どんなに強くなっても、大切な人の「死」を平気で受け止めることができるようになることはない。
人はどんなに強くなっても悲しみを消し去ることはできないということを教えてくれる名言です。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
僕は昔やっていたのと同じように影をひきずり、悩んだり苦しんだりしながら年老いて、そして死んでいく。
たぶん僕にはそういう世界の方があっているんだろうと思う。
心にふりまわされたりひきずられたりしながら生きていくんだ。「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)」(村上春樹)より引用
本作にて、心を捨てることを求める「影」に対し、心を持つことを選択する主人公。
海辺のカフカ
「僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける」、ベルが鳴りやんだあとで彼は言う。
「大事な機会や可能性や、取りかえしのつかない感情。それが生きることのひとつの意味だ。でも僕らの頭の中には、たぶん頭の中だと思うんだけど、そういうものを記憶としてとどめておくための小さな部屋がある。きっとこの図書館の書架みたいな部屋だろう。そして僕らは自分の心の正確なありかを知るために、その部屋のための検索カードをつくりつづけなくてはならない。掃除をしたり、空気を入れ換えたり、花の水をかえたりすることも必要だ。言い換えるなら、君は永遠に君自身の図書館の中で生きていくことになる」「海辺のカフカ(下)」(村上春樹)より引用
風の歌を聴け
優れた知性とは二つの対立する概念を同時に抱きながら、その機能を充分に発揮していくことができる、そういったものである。
「風の歌を聴け」(村上春樹)より引用
その他の記事