仕事でインフルエンザになったら労災認定されるのか?
冬になると毎年流行するインフルエンザ。
小売業や病院をはじめ不特定多数を相手にした仕事の場合、仕事中にインフルエンザに感染してしまうこともあるでしょう。
日本では仕事が原因で負った病気や怪我に対して国から保険金が支払われる労災保険という制度があります。
プライベートではきちんと予防していたのに、仕事が原因でインフルエンザになった場合、労災になるのでしょうか?
仕事中に感染した証明できれば、
仕事のせいでインフルエンザになったら労災になります。
以下、根拠や詳しいことを。
感染症と労災に関する法律
労災保険は国の法律が絡む制度です。
ということで、政府の公開情報が信憑性高いでしょう。
厚生労働省のホームページにて、新型インフルエンザに関するQ&Aを見てみましょう。
これによると、Q10にインフルエンザと労災に関する解答が出ています。
一般に、細菌、ウイルス等の病原体の感染によって起きた疾患については、感染機会が明確に特定され、それが業務又は通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、保険給付の対象となります。
新型インフルエンザ(A_H1N1)に関する事業者・職場のQ&Aより引用
上記のように、
仕事、あるいは通勤のせいでインフルエンザになったら労災に該当するようです。
仕事でインフルエンザにかかった証明はできるのか?
仕事が原因でインフルエンザになった場合、それは労災の対象となり保険金が支払われてもおかしくありません。
しかしここでネックなのが仕事が原因だったという証明です。
一般に、どこでインフルエンザにかかったかという証明は極めて難しい。
仕事中かもしれないし、仕事帰りに寄ったコンビニやスーパーかもしれない。
休日の出かけたときかもしれないし、家の玄関先で会った宅配便の人かもしれない。
仕事が原因でインフルエンザになった場合は労災に該当するルールですが、「仕事が原因」を証明するのが難しく結果として労災にならないというケースが現実的だったりするのでしょう。
このように、感染の証明が難しいインフルエンザですが、労災が認められやすいケースがあります。
会社でインフルエンザの予防接種を義務付けられ、予防接種が原因でインフルエンザになった場合です。
病院やそのほか医療施設では、患者さんへの感染症予防として看護師やスタッフが予防接種が義務付けられることが珍しくありません。
このような場合は労災認定が比較的みられるようです。
まとめ
以上のように、感染原因を証明できれば労災になるインフルエンザですが、その証明は難しそうですね。
労働者個人ができる対策としては、
インフルエンザをできるだけ予防しつつ、インフルエンザになったら労働者の権利である有給休暇を使ってお給料が減らないように休むといったところでしょう。
その他の記事
参考資料
『新型インフルエンザ(A_H1N1)に関する事業者・職場のQ&A』(厚生労働省)2018年1月17日検索
『感染症と休業手当』(吉田労務管理事務所)2018年1月17日検索
『インフルエンザでの休業、どう対応するべきか。日数は? 手当は?』(iCARE)2018年1月17日検索
『季節性のインフルエンザにかかった社員を休ませる場合の注意点』(社会保険労務士法人ザイムパートナーズ)2018年1月17日検索