「仕事ができない人」は有休を取っちゃいけない?

日本は過程を重んじる文化がある一方で、
「結果を出した人間にはとやかく言えない」といった雰囲気もありますね。

これは裏を返すと、「結果を出している人間」は何かと自由が効いて、「結果を出せない人間」は同じことをやっても周りから文句を言われがちなわけです。

会社においても、
「同じことをしても人によって肯定されたい非難されたりする」ということが度々あるわけです。


有給休暇がとりづらい


そんな世の中において、
有休というものもとりづらいときととりやすいときがありますね。

「みんなが忙しい」とか「先月、自分の営業成績が悪かった」なんてときはなんとなく有休も申請しにくいですね。

「仕事ができないくせに休みはしっかり取るのか」と言われそうで、怖いですよね。


有給休暇は権利


じゃあ、有休って「仕事ができる人」しか取っちゃいけないのでしょうか。
少し考えれば、そんなことないに決まってますよね。

有給休暇は仕事を頑張った人のご褒美なのではなく、
雇用されて働く人の権利なわけです。



有給休暇の付与の基準は勤務日数


さて、有給休暇はどのように発生するのでしょう?

有給休暇は6カ月以上勤め、勤務日数の8割以上勤務した人に与えられる権利です。
6カ月以後は1年ごとに付与されていきます。
仕事ができたかどうかではなく、あくまで有給休暇の付与の基準は勤務日数なわけです。

そして、有給休暇の付与は労働者の権利であり、有給休暇を使うことも労働者の権利です。


仕事の成果と有休取得は別問題


このように考えると、
有給休暇とは仕事の成果によって与えられるものではなく勤務の期間と日数によって発生することがわかります。

仕事ができないとかノルマが達成できないとかの問題は、有休どうこうではなく別の処遇で本来は対応すべきなのです。
裁判所が認めるような、客観的で妥当な判断であれば、結果を出せなかった社員の異動なりなんなりは可能です。

仕事の成果と有休取得の有無はまったく別問題なのです。


まとめ


「自分は仕事が周りよりできる有能な社員だ」と思える人はなかなか少ないでしょう。
だから有休をとりにくいなあと思うのも気持ちはわかります。

仕事が特別できるわけではないのに、しっかり休みだけは取る人がいたら反感をかうのは人間心理としては理解できます。

けれど、仕事ってある程度は論理的に行うもので、感情論でルールをねじ曲げてはいけませんよね。

有給休暇は労働基準法というルールに則っています。
有給休暇の付与の基準は勤務日数。仕事の成果ではありません。
有給休暇の消化は労働者の権利。

仕事ができる・できないに関しては、有休の取得ではなく人事評価なり査定なり別の方法で対応すべきなのです。

あなたは有休を取っていいのです。






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