アニメ「SSSS.GRIDMAN」の解説です。
ネタバレも含みますのでご了承ください。
「SSSS.GRIDMAN」第9話「夢・想」の考察
裕太「これは夢だ。時計は返すよ」
アカネ「ずっと夢ならいいって思わない?」
裕太「夢だから目覚めるんだよ。みんな同じ。それは、新条さんも」
アカネ「私はずっと夢を見ていたいんだ」
裕太「俺はそっちには行けない。グリッドマンが呼んでるから」
「SSSS.GRIDMAN 第9話」(Abema TV)より引用
アニメ「SSSS.GRIDMAN」の第9話「夢・想」。
アカネが裕太・内海・六花を夢の中に閉じ込めようとする、アカネがグリッドマン同盟に直接攻撃を仕掛ける回です。
第9話の考察として、
アカネが3人に見せた夢の内容は、「アカネが本来望んでいる世界だったのではないか?」という説が視聴者の間では有力視されています。
今日はあえて、
第9話「夢・想」の夢について違った視点で考察してみたいと思います。
裕太・内海・六花が見た夢
まずは3人が見た夢の確認。
大筋としては、
裕太は、アカネと恋人として日常を送っている夢。
内海は、趣味の合う友達としてアカネと親しい夢。
六花は、アカネと親しい友達としての夢。
これらの夢から、アカネは本当は、
恋人(= 裕太)
趣味の合う友達(= 内海)
親友(= 六花)
という関係性を求めていたのではないか。
その思いが今回の夢に反映されたのではないかと考えられました。
ゆえに、夢から覚める3人と、そこで置いてけぼりになるアカネの様子が痛々しくて、アカネファンが増えた第9話でもありました。
アカネは恋人と親友と趣味の合う友達が欲しかったのか?
アカネは単に恋人と親友と趣味の合う友達が欲しかったのでしょうか?
だからあんな夢を見せたのでしょうか?
これは半分正解で半分は不正解だと思います。
アカネは確かに孤独感を感じていて、その孤独を埋め合わせる何かを欲していたのかもしれません。
けれど、
アカネが3人に見せた夢はアカネの単なる願望ではなく、「こういう夢を見せれば3人はずっと夢の中にとどまるだろう」という相手に合わせた夢でもあったと考えます。
前回の話である第8話にて、アカネは渾身の作の怪獣をもってしてもグリッドマンに敗れました。
つまりもう第9話の時点で八方塞がりだったわけです。
そして、夢の中に3人を閉じ込めるという苦肉の策に出ます。
アカネは夢の中に3人を閉じ込めておきたい。
そのためには、3人にとって心地よい世界はどんなものか?
そんな考えを巡らせたのではないでしょうか。
例えば内海の夢の中で、アカネは内海を自分の家に誘います。
下心があるというか、明らかに内海を誘っています。
アカネが恋人(裕太)・内海(趣味の合う友達)・六花(親友)という関係を望んでいるなら、この内海に対する言動は矛盾します。
明らかに内海を引き留めるために言っているとしか思えない言動。
自分が望んだ人間関係というよりは、
相手に合わせた夢を見せようと必死な様子がうかがえます。
まとめ
第9話「夢・想」の敗北のあと、アカネは本格的に自暴自棄になってしまいます。
この第9話以前を振り返ると、
今までアカネは「怪獣VSグリッドマン」という真っ向から対立するかたちで自分の望む世界を実現させようとしていました。
しかし第8話のフルパワーグリッドマンに完全敗北し手詰まりになります。
たび重なる敗北のあとの苦肉の策として3人に直接攻撃を仕掛けます。
3人にとって心地よい夢を見せて、夢の中に閉じ込める。
今までは自分の怪獣とグリッドマン達という対等な関係での対決だったのが、
相手が好みそうな夢を見せて閉じ込めるというある意味で相手に媚びた戦略をとることは、アカネにとって相当の屈辱だったのではないでしょうか。
そしてそんな屈辱的な戦略をもってしても、やっぱりグリッドマン達に勝てない。
アカネにとって相当のダメージだったでしょう。
才色兼備に見えるアカネが、実は人とのコミュニケーションにおいては下手である様子はたびたび見られました。
コミュニケーションが苦手なゆえに、自分の好きなようにすると横暴になり、だから今度は「自分なりに相手に合わせよう」とするとなんだか過剰になって相手が結局引いてしまうという不器用さが、アカネの本来の心をよく表わしているのではないでしょうか。
その他の記事