ツァイガルニク効果とは、
ブルーマ・ツァイガルニクという心理学の大学院生が発見した人間の心理です。
ツァイガルニク効果とは、
人はやりかけのことや途中のことは気になって記憶残る一方で、終わったことやひと段落したことは安堵してしまい忘れやすくなるという人間心理です。
ツァイガルニク効果は人間関係や仕事術に役立つ心理テクニックのひとつです。
出さなければいけない書類、しないといけない仕事。
私達は日々「~しなければいけない」ことに追われています。
そしてわかっているのについつい先延ばし・後回しにしてしまいます。
根性論で「やるぞ!」と気持ちで頑張るのもいいですが、
もっと理にかなった方法はないものでしょうか?
物事を後回しにしてしまう癖はツァイガルニク効果を応用することで対応できます。
人が物事を後回しにしてしまうとき、
「これをやりきらなければ」と心理的にハードルが高くて避けてしまうことが多いです。
けれど、はじめから「全部やりきろう」なんて思わなくていいのです。
ツァイガルニク効果から、人はやりかけのことは気になってやってしまうものです。
ということは、はじめから「やりきろう」と思う必要はなくて、「ちょっとやる」くらいでなんとなく手を動かせばいいのです。
1ページだけ読む。
3分だけやる。
とりあえずこの書類だけファイリングする。
あえてほんのちょっとだけやるのです。
そしたら続きが気になってついついやってしまうものです。
最初から「全部終わらせよう」なんて意志は持たなくていいのです。
ちょっと手を動かしていれば、勝手に「全部やりたい」という気持ちが湧いてきます。
「続きはCMのあと」と言われると人は気になるものです。
続きが気になるのは人間関係も一緒です。
全てをさらけ出すことは悪いことではありませんが、
少し秘密があるくらいが人はあなたに興味を持ってくれるでしょう。
LINEの返事もいつも即返信よりたまにはちょっと遅い時があると相手も気になります。
焦らしすぎも厳禁ですが。
「沈黙は金」なんて言ったりもしますね。
何もかもその場で全部わかるより、含みがあったり続きがあるほうが人は興味を示すものです。
完了した仕事は安堵して忘れてしまいますが、途中の仕事は気になって記憶に残るものです。
人間についても似ているところがあります。
全てが完璧な人より、どこか不完全な人のほうが魅力的なものです。
ここでいう魅力的とは、人を引き付ける・記憶に残るという意味です。
成長の途中であり、学んでいる途中であり、
長所も短所もないまぜになっている人のほうが魅力的なものです。
【参考文献】
リチャード・ワイズマン『その科学が成功を決める』文春文庫、2012年