心理学的にストレスを軽減する方法7選

日々生活をしていく上で何かとストレスは生まれるものです。

心理学者が研究した、効果のあるストレス軽減法を今日は挙げていきます。


プラスのことを書く


悲しい出来事や辛い出来事があったとき、どのようなことをすれば心が回復するでしょう?

マイアミ大学のマイケル・マカラックらが調査したところによると、

被験者を2つのグループに分け、
・嫌な出来事が自分に与えたマイナスの影響を書き出す
・嫌な出来事が自分に与えたプラスの影響を書き出す
という作業をしてもらいました。

結果、マイナスの影響を書き出すよりも、
プラスの影響を数分間書き出しただけで、ストレスが軽減されたそうです。

ネガティブなことに対してネガティブなことを書くより、ポジティブなことを書いた方がよさそうです。


叫んだって変わらない


嫌ななことがあったとき、大声で叫んだりサンドバックを思いっきり叩いたりするとなんとなくすっきりしそうです。

でもそれって本当でしょうか?

アイオワ州立大学のブラッド・ブッシュマンが調べました。
被験者に嫌な体験をしてもらった後に、2つのグループに分け一方は大声で叫んだりサンドバックを叩いてもらいました。他方は静かに座っていてもらいました。

その後に別の作業をしてもらい被験者がどれだけ怒りっぽいか、事前の嫌な体験を引きずっているかを観察しました。

結果、叫んだり物を叩いてもストレスは解消しません。

正確に言うと、
叫んだり物を叩くといった「攻撃的な方法」では「嫌なことに対する嫌な気持ち」は晴れず、むしろ物事に対して怒りっぽくなってしまいます。


誰かのために祈ること


ミシガン大学のニール・クラウゼの研究によると、
他者のために祈ることは自分の健康を促進します。

「○○さんの風邪が早く治りますように」
「○○君が試験に合格できますように」

人の幸せを願う気持ちは自分を幸せにしてくれます。

ちなみに同研究によると
「新しい車がほしい」
「高級なバックが手に入りますように」
など私利私欲のために祈っても効果はなかったそうです。


クラシック音楽を聴く


クラシック音楽は人の血圧を通常より早く正常値に戻してくれる効果があります。

これはポップやジャズなど他のジャンルの音楽には見られないクラシック特有の効果です。

ストレスや疲労で血圧が安定しないときはクラシック音楽を聴くことが良いかもしれません。


30分以上散歩をする


太陽の光は人の気分を良くしてくれます。

太陽の下に30分以上いると気分や記憶力が向上します。
ただし30分未満だとむしろ気分が下がってしまうというデータもあるので時間には用心です。気分が晴れないときは、短すぎず長すぎず適度な時間で外を散歩してみましょう。


笑うこと


笑いは健康や幸福を呼びこんでくれます。

ストレスのある物事に対してユーモアを持って対応できる人は、そうでない人より心臓発作や脳卒中のリスクが40%低く、平均より4年半長生きするそうです。

メリーランド大学のマイケル・ミラーは笑うことに関する研究を行いました。

被験者に「不安や緊張を感じる映画」と「笑いが起こるような映画」を見せてそれぞれの血流量を測定しました。

結果、「不安や緊張を感じる映画」では血流量が35%低下、「笑いが起こるような映画」では血流量が22%増加したそうです。

研究者はこの結果を下に、
毎日最低15分は笑うことを推奨しています。


犬を飼う


犬を飼っている人と飼っていない人では、心臓発作で倒れた1年後の生存率が9倍近く違うそうです。

犬を飼っているとそうでない場合と比べてストレスを乗り越えやすく、自信が持て、鬱になりにくく、穏やかに生きることができるそうです。

さらに興味深いのが、先ほどの心臓発作の例の場合、猫では効果がありませんでした。

なぜ犬なのでしょう?

さらに調査をした結果、犬を飼うことで健康になれる理由は2つあります。

・犬の存在自体が飼い主の癒しになる点
・散歩をする中で他の人との交流が生まれる点

この人との交流をというのが特に重要です。
猫は飼い主が散歩をさせることは稀でしょう。

犬の場合、散歩をすることで他者と交流するきっかけが生まれます。
公園で話しかけられたり、同じように犬を飼う人との出会いがあります。

人は人と交流を持つことで健康になれます。
孤独では人は生きていけないのです。

ちなみに他者との交流のきっかけを作りやすいの犬種はラブラドールだそうです。
それ以外でも危害を加えなさそうな子犬であればOKです。

ちなみに、犬を飼えない家庭なら、
犬のロボットを飼ったり、動物のDVDを観ることは少なからず効果があるようです。






【参考文献】
リチャード・ワイズマン『その科学が成功を決める』文春文庫、2012年

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