アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」の解説です。
ネタバレを含みますのでご了承ください。
【目次】 [close]
第2話「はじまりの日」
第2話は「鋼の錬金術師」における過去回になります。
過去回ということで前置きの回ではありますが、非常にコンパクトにまとまっていて見やすいです。
鋼の錬金術師という作品においてエド達の人体錬成の過去は非常に重要な要素ですが、にもかかわらず1話分でさらっとまとめるところに本作の良心的な構成を感じます。
以後もそうですが、鋼の錬金術師は原作もアニメも安易な引き伸ばしがなく過不足のない構成で幕を閉じた良作だと思います。
全体のあらすじ
エドとアルは、優しかった母を蘇らせるため、最大の禁忌とされていた「人体錬成」に挑む。だがそこで待っていたのは余りにも大きすぎる代償だった。ある日、絶望の淵に沈んでいた兄弟たちの前にひとりの軍人が現れた。彼は兄弟たちに国家錬金術師への道を提示する。失ったものを取り戻すため、彼らの長い旅が始まった!
各シーンの伏線などの解説
錬金術を褒めてくれる母、トリシャ
エドとアルが錬金術にのめり込むきっかけになったのは「母親が褒めてくれたから」。
シンプルですが、それが子供の心情をよく表現していると思います。
子供が上手く出来たことを、あれこれ口出しせず素直に褒めてあげる。
簡単なことのようで難しいことです。
トリシャの母親としての器量うかがえます。
また、トリシャとしては、長期の留守で父親との記憶が希薄な息子達が、それでも父親のように錬金術に関わりを持ったことの嬉しさもあったのでしょう。
母を失うエルリック兄弟
しかしながら母は流行り病によりこの世を去ります。
トリシャが亡くなったこととホーエンハイムの留守は当然偶然が重なっただけですが、
幼い頃のエドは、妻子をほったらかして旅に出たホーエンハイムにもトリシャの死の責任の一端があると感じます。
これによりエドのホーエンハイムの心象はさらに悪いものとなります。
物語全体を通して見ると、断腸の思いで旅に出て妻の死に目に会うことができなかったホーエンハイムも辛いのでしょうが。
人体練成を行うエルリック兄弟
初対面するリザとウィンリィ
国家錬金術師になることを提案するマスタング
本来、人体練成は錬金術において禁忌であり、公には咎められることです。
それでも2人を黙認し、国家錬金術師という可能性を提示したのはマスタング大佐の温情でしょう。
国家錬金術師試験を受けるエド
エド
「っていうふうに要人暗殺があるかもしれないからさ、この試験方法見直したほうがいいんじゃない?」ブラッドレイ
「ふん。なかなか肝が据わっておる。だが、世界の広さを知らん。
残りの試験も頑張りたまえ。若すぎる錬金術師よ」「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode2」(Abema TV)より引用
人体練成は本来は禁忌ですから、明るみにすれば立場が危ういです。
このためエドは腕と脚は内乱で失ったと嘘をついて試験を受けます。
さすがに魂のみのアルでは嘘がばれるため、アルは国家錬金術師の試験は受けないことになります。
エドが手合わせ練成をできるのは真理の扉を見たから、つまり人体練成を行ったからです。
しかしこの手合わせ練成のからくりは一部の人しか知らず、
普通の人には「なんだかすごい錬金術のテクニック」くらいにしか見えないようです。
こうして、エドは試験に合格します。
エドの居眠りシーンの伏線
第2話に限ったことではないですが、エドは眠っているシーンが度々あります。
また、食事も非常によく食べます。
このあたりの描写は意図的なものであり、エドの魂はアルと淡くつながっていて、真理の扉に持って行かれたアルの身体の栄養もエドが担っているためです。
補足解説
手合わせ錬成
エドの睡眠と身長
前後のあらすじ