工学博士である藤村靖之氏の著書「月3万円ビジネス」などを参考に、支出の少ない生活スタイルについて考えます。
今の日本は依存社会
藤村靖之氏いわく、
高度経済成長期は日本に大きな経済的豊かさを与えましたが、その代償として依存社会を形成することとなりました。
自分では作り方も仕組みもわからず、
ただ買うことによって自分に必要な生活を成り立たせる。
そのために多くの収入が必要になり多くの労働が必要になる。
そうやって、依存社会では
- 作る喜びを失うこと
- 過剰な労働で疲弊すること
のダブルパンチで人はお金ではない心の豊かさのようなものを失っていると氏は述べています。
生活に必要な物を自分で作ってみる
日々の生活も楽しみもお金を使うことに頼っていると、多くの収入が必要になり多くの労働が必要になります。
そうではなくて、
自分で自分の生活を組み立てて支出の少ない生活スタイルと作ります。
心理学の実験で、まったく同じ絵でも他人が描いた絵と自分が描いた絵では人は自分が描いた絵に高い値段をつけるそうです。
人は自分が手を加えた物には愛着が湧きます。
自分で手を動かして生活に必要な物を作ることは、面倒なようですが結局のところ人生の満足度を高めてくれるのです。
そうやって物を作ると物を買うことが減るので、自然と支出も減っていきます。
自給できないかを考えてみる
人の出費はおよそ
衣・食・住・エネルギー・安全健康・娯楽・教育・情報・交通
の9つに分類できます。
これらそれぞれで自給できないかを考えます。
例えば「食」。
スタバやカフェでコーヒーを買ってもいいですが、自分で豆を買って家で淹れてみても楽しいのではないでしょうか。
例えば「住」。
たまの休日に木材を買って棚を自作してみてもいいのかもしれません。
例えば「安全健康」。
家のベランダで野菜を育ててみたら、無農薬の野菜が食べられます。
自給自足と言うとちょっとおおげさです。
要は日々の生活に自分でちょっと手を加えてみるのです。
まとめ
日本は生活にお金がかかる国です。
例えば水。
東京都に4人家族で住む場合、およそ風呂の水道代は月3900円、トイレの水は1230円だそうです。
経済的な発展の代償として、日本は依存社会になりました。
お金でなんでも買って生活を成り立たせています。
でも、実際は自分で考えたり物を作った方が幸福度は上がりやすいです。
無理のない範囲で自給を試みると、思った以上に生活が充実することがあります。
自給をする際のポイントは4つあって、
- 作ることを楽しむ
- いきなり自給率を高めすぎない
- 適切で程よい技術にする
- 仲間と一緒に
です。
いきなり「全部自給しよう」とか「プロ並みの技術で物を作ろう」とかすると挫折します。
作ることを楽しみながら、一緒に活動できる家族や友達がいるならみんなでわいわいやったほうが満足度は高いです。
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参考資料
藤村靖之『月3万円ビジネス』昌文社、2011年