演劇で突然歌が始まると違和感を感じる人も多いのでは。
現実社会で突然歌い出したら間違いなく変な人ですよね。
今日は「ミュージカルはなぜ突然歌い出すのか?」
1. ミュージカルはなぜ突然歌い出すのか?
ミュージカルってなんで突然歌い出すのでしょう?
なんか不自然ですね。
劇の中に歌が入るのは表現の幅を広げるためと言われています。
「しゃべり」と比べて、「歌を歌う」場合だと音楽とか音程とか、「しゃべり」にはない要素が加わります。
その表現の幅を利用して、場の展開とか登場人物の感情とかを観客に伝えるわけです。
2. 同時に複数が声を出すこと
古い作品ですが、「アマデウス」という映画があります。
モーツァルトの生涯を下に作った映画です。
ちなみにモーツァルトのフルネームはヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。
映画の中で、モーツァルトがお偉いさん(たしかか王族のような人?)にミュージカルの魅力を伝えるシーンがあります。
役者が台詞を言う場合、2人以上の役者が同時にしゃべるとそれはやかましいだけ。
けれど、歌を2人以上が同時に歌えばそれはハーモニーになる。
そういったニュアンスのことをモーツァルトは伝えます。
これが、ミュージカルが突然歌い出す理由の根幹かなあと思います。
3. 歌は多彩な表現方法
通常の演劇だと、誰かが台詞をしゃべるとき、基本的に他の人は黙っています。
複数が同時に声を出すのは笑い声などのリアクションが主で、基本はしゃべりが重なると聞き取りづらいだけです。
メラビアンの法則というものがあります。
心理学的に、人は相手の意図を理解するときに表情や声の抑揚を重要視すると言われています。
何を話しているかという言葉の内容自体は1割程度しか影響しないそうです。
このように考えると、言葉の内容以外の音程や表情、抑揚を伝えることができる歌は、セリフをただしゃべるよりも多彩な表現方法であると考えることができます。
4. おわりに
ミュージカルはなぜ突然歌い出すのか?
それはただセリフを話すだけではできない多彩な表現を行うためです。
2人が同時にしゃべれば一方の内容は損なわれます。
けれど2人同時に歌えば、それは合唱となって双方を高め合えます。
ミュージカルは多彩な表現を持つのですね。
けれど、まあ、こういうのは結局のところ感覚の問題です。
突然歌い出すことに恥ずかしさを感じるのもまた1つの価値観でしょう。