どの村上作品?
村上春樹さんと言えば本をあまり読まない人でも名前は知っているくらい有名な小説家ですね。
そんな村上春樹さんの小説に興味を持っても、作品数も多くどれから手をつけていいのか。
今日は村上春樹さんの小説を初めて読むときの順番について考えます。
まず前提として、村上春樹さんの作品は短編・中編・長編小説およびエッセイなど様々。
また文芸誌に掲載されそれが短編集としてまとめられたりと本当に様々な作品があります。
今回は、書店でも手に入りやすいし探しやすい長編小説を中心に考えていきます。
「村上春樹」作品一覧
村上春樹の長編小説
村上春樹さんの長編小説は刊行順にこんな感じ。
・風の歌を聴け
・1973年のピンボール
・羊をめぐる冒険(上・下)
・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上・下)
・ノルウェイの森(上・下)
・ダンス・ダンス・ダンス(上・下)
・国境の南、太陽の西
・ねじまき鳥クロニクル(上・中・下)
・スプートニクの恋人
・海辺のカフカ(上・下)
・アフターダーク
・1Q84(上・下)
・色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
・騎士団長殺し(上・下)
ちなみに「ねじまき鳥クロニクル」や「騎士団長殺し」は上下ではなく正確には「第1部、第2部」といった言い方です。
村上春樹作品の原則
村上春樹作品は原則として、作品ごとに独立しているので、どれから読んでもOKです。
話が続いているわけではありません。
ただし一部例外があって、
風の歌を聴け→1973年のピンボール→羊をめぐる冒険(上・下)→ダンス・ダンス・ダンス(上・下)
といった具合でこの4作品は淡くつながっています。
淡くつながっているというのは、
順不同で読んでもわからないことはないけれど、確かにつながっていはいるのでどうせ読むなら順番通りのほうが楽しめるということです。
順番について考える
さて、長編小説だけでもけっこうありますね。
まず原則として、小説においてどれが1番おもしろいかってのは個々人の好みなわけです。
じゃあ、何をもって順番を決めるか。
今回は、わかりやすさで考えていきましょう。
村上春樹さんの小説というのは根強いファンがいる一方で、
海外小説のような独特の表現や比喩、読み手に判断をゆだねるような結末の迎え方でクセのある小説でもあります。
そういった村上春樹さんの作風はハマれば楽しいのですが、はじめは受け入れるのに時間がかかるのも事実。
村上春樹さんの作風を楽しみつつ、比較的初めてでも受け入れやすい作品をピックアップしていきます。
風の歌を聴け
村上春樹さんの1冊目ということでなんとなく気持ち接しやすいですし、
他の長編小説と比べて圧倒的にページ数が少ない。
文庫で200ページないです(160ページくらい)。
この短い小説を、全体の結末や謎要素をあまり気にせず、登場人物の生き様や作品の表現を気楽に楽しむと村上春樹作品にぐっと接しやすくなります。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
ページ数が少ない「風の歌を聴け」で慣らしたあとということで、ちょっとページ数は増えます。
刊行順でいくと一気に新しいのにいく感じですが、
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は比較的読みやすい。
村上春樹作品にある「結末がいろんな解釈を持てるなんともいえない終わり方」という感じはありつつ、その「なんとも言えない感」がほどほどになっている。
マイルドな村上節といった感じです。
長編小説においては多くが上下の2冊以上の構成に対し、「色彩を持たない~」は1冊での構成なのでその点も読みやすいかと。
「ノルウェイの森」 or 「世界の終りと~」
村上春樹さんの小説は大きく2つのジャンルがあって、
1つは恋愛や人間関係を描いたタイプ。
もう1つがSFやファンタジーの要素が入った冒険タイプ。
どちらが好きかは読み手次第といったところ。
人間関係タイプでいくなら「ノルウェイの森」でしょう。
一時期、日本における小説単行本の発行部数歴代1位にもなった大ベストセラー。
冒険タイプでいくなら「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
こちらも村上作品の中でも特に人気のある作品のひとつ。
いずれか興味のあるジャンルのほうを。
まとめ
以上のように、村上春樹さんの作品を初めて読む順番としては
風の歌を聴け
↓
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
↓
「ノルウェイの森」 or 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
がおすすめです。
その後についてですが、
「風の歌を聴け」を覚えている状態で、1973年のピンボール→羊をめぐる冒険(上・下)→ダンス・ダンス・ダンス(上・下)という青春4部作にいくか、
「海辺のカフカ」という村上作品にはめずらしい少年が主人公の作品にいくかといったどちらかかなあと思います。
その他の記事