私達は物事をついつい後回しにしてしまいます。
ついついその場しのぎのことをしてしまいます。
少し冷静になればわかるのに、です。
その場しのぎの生き方を改善するにはどうすればいいかについて考えます。
人が欲求において「今、この瞬間」を優先してしまう傾向を双曲割引あるいは現在バイアスと呼びます。
あなたがダイエットをしたいと思った時、明日のおやつのことを考えたら
理想的な体型 > おやつ
のように理想的な体型の方が価値が高く、おやつを食べないようにしようと思います。
しかしいざその瞬間になると目の前のおやつを食べたくなる。
理想的な体型 < おやつ
今この瞬間のおやつのほうがいつか未来の体型よりも価値が大きくなってしまう。
人は目先の利益を過大評価し、未来の利益をおろそかにします。
作家のスティーヴン・コヴィーは物事を4つの種類に分けました。
・緊急な重要事項
・緊急でない重要事項
・緊急な重要でない事項
・緊急でない重要でもない事項
多忙な人ほど「緊急な重要事項」に今この瞬間の時間を割いています。
しかし私達が人生を豊かにするために本当にしないといけないことは「緊急でない重要事項」です。
私達はついつい「緊急でない重要事項」を後回しにしてしまいます。
「緊急な重要事項」や「緊急な重要でない事項」は緊急であるがゆえに目の前の時間を奪っていきます。
そして緊急な事項に翻弄される限り、いつまでたっても時間にゆとりは生まれません。
目の前の忙しさをこなすためだけに時間を使う。
いつまでたってもその場しのぎのことをしていくだけ。
誰しも思い当たる節があるでしょう。
まるで借金を返すために別のところから借金をするように、私達は時間や能力をその場しのぎで使うことがしばしばあります。
今に忙殺されその場しのぎで物事に次々取り組むことをジャグリングと言います。
ジャグリングの状態になると、いつまでたってもゆとりがなく、冷静な判断ができず、何か一つトラブルがあると山が崩れ落ちるように全てが収拾つかなくなります。
10万円まとまったお金が入れば・・・
丸1日時間が空きさえすれば・・・
一旦体重が元に戻りさえすれば・・・
あの大学に受かりさえすれば・・・
時間にせよお金にせよその他の目標にせよ、私達はついつい「1回のボーナス」で現状が改善されその後はうまくまわっていくと考えてしまいます。
でもそれは間違いです。
借金を習慣にしている人は、たとえ周りが一回全額払ってあげて再スタートを切ってもまた借金をしてしまいます。
お金や時間など人生には様々なリソース(資源)があります。
リソースが不足しているのはリソースが不足するような習慣ができているからです。
1回のボーナスでそれが永久に改善なんてしません。
習慣を変えないといけないのです。
ではどうやったら習慣を変えられるでしょう?
私達が今この瞬間の多忙さに翻弄されず、未来を見つめ、より良く生きていくためにはどうしたらいいのでしょうか?
次回に続きます。
次の記事:その場しのぎや後回しを改善する方法と習慣②
【参考文献】
センディル・ムッライナタン、エルダー・シャフィール「いつも『時間がない』あなたに」早川書房、2015年