仕事の準備をしている時間は労働時間か?~法律と判例~



仕事の準備をしている時間は労働時間か?

制服に着替える、店内の施錠や清掃。
仕事においては「準備」や「片付け」と捉えられる作業はなにかとあります。

仕事の準備をしている時間は労働時間なのでしょうか?

仕事の準備の時間に給与や残業代は出ないのでしょうか?

その仕事の内容や準備の定義にもよりますが、基本的には

仕事の準備をしている時間も労働時間に含まれます。

以下、これらの解説です。



仕事とは?

仕事とはなんでしょう?
労働基準法的に、労働時間の定義とはなんでしょう?

労働時間とは、会社の指揮命令下にある時間を指します。

仕事というと、例えば
プログラマーならプログラムを打っている時間、
看護師なら看護をしている時間、
保育士なら保育をしている時間、
店員なら物を売っている時間
と考えがちですね。

でも、法律的には、
仕事は「何をしたか」で決めるのではなく「どんな時間か」で決めます。

会社や上司が、「ここに1時間待機していろ」と命令すれば、それは労働時間です。

このように考えると、

仕事を行う上で必要な準備や指示のあった準備は労働時間に含まれると考えられます。

有名な裁判の判例で、制服に着替える時間が労働時間かどうか議論した裁判があります。

制服に着替える時間は労働時間か? 仕事によっては、会社が指定する制服やユニホームに着替えて業務にあたる人も少なくないでしょう。...



労働時間に含まれる準備と含まれない準備

例えば会社から、社内清掃や整理、施錠などを命じられているのであれば、それを行う時間は労働時間です。

労働時間に含まれる準備は労働なので、賃金が支払われないといけません。

一方で、労働時間に含まれない準備もあります。

例えば家で行う整容。これは労働時間じゃありません。

また、社内の掃除であっても、上司は命じていないししなくてもいいのに、自分の自己満足でやっている掃除は労働時間とは言い難いでしょう。

また、グレーな部分もあります。

例えば、就業規則や部署のルールで決まってはいないけれど、暗黙のルールで週に何回か掃除当番やお茶汲み当番が回ってくるパターン。

ルールに明記されていない仕事の準備は、それをしないことで実質的に業務に支障が出たり、上司に精神的な圧力をかけられることが客観的にわかる場合は労働時間にみなされる可能性があります。



まとめ

私達は幼い頃から「5分前行動」を教わりましたね。

自分の時間を使って準備をする。それが美徳のように教わりました。

でも、大人になって社会に出てみると、

5分前の準備も本来は残業代をもらっていい権利を持っています。

でも、日本人は空気を重んじるので、なかなかその労働者の権利を主張できません。

それがいいことか悪いことか。
それは人によって判断が異なるでしょう。

しかしながら、
仕事で自分を追い詰めないようにはしたいものです。



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