業務の合間にちょっとお茶やコーヒーを飲みたい。
そこで給湯室で飲み物を淹れている。
この時間ってちょっとの時間ですがぶっちゃけ仕事してないですよね。
この時間って労働時間ってことにしていいのでしょうか?
1. お茶を飲んでても仕事中?
基本的に、業務中に給湯室でお茶を淹れててもそれは労働時間に含まれます。
なぜなら労働時間とは何をしているかというよりも
その時間が会社(あるいは上司)の指揮下におかれている時間か否かがポイントだからです。
2. 労働時間の定義
そもそも仕事とはなんなのか、労働時間とはなんなのか。
これは職種によって様々です。
コンビニ店員と看護師ではすることが全然違いますよね。
何を業務とするかは雇う側と雇われる側の合意によって決まります。
けれど、合意がさえあればなんでも業務になるかというとそうではない。
就業規則よりも労働基準法が力は強いわけです。
労働基準法はそれに関する裁判の判例を参考にすると、労働時間というのは以下のように定義されているようです。
・労働者が使用者の指揮命令の下に置かれている時間
・また、指揮下にあるのなら待機時間も労働時間
このように、実労働をしていなくても、会社の指示の下で時間や場所を拘束されている時間も労働時間に含まれるわけです。
3. どんなときが「指揮下」?
このように、労働時間というのは何をしているかというよりもその時間が指揮下にあるか否かといった観点が重要になるわけです。
会社の指揮下にある時間なら、お茶を飲んでても労働時間です。
逆に指揮下じゃないなら、仕事に必要な書類を作ってても労働時間じゃないわけです。
労働時間か否かの判断においては、「何をしていたか」ではなく「どんなくくりの時間か」が重要になってくるわけです。
ここで問題になってくるのがサービス残業。
職場の無言の圧力でサービス残業を行うこともしばしばですよね。
別に上司が「○○時から○○時まで残業しなさい」と指示していないケースも多々あるでしょう。
これって労働時間じゃないし労働時間じゃないからやっぱり残業代も出ないのでしょうか?
上司が「○○時から○○時まで残業しなさい」と指示していなくても、
上司が残業を黙認していたり、残業をしないといけない仕事量だということが客観的に証明されれば労働時間です。
労働時間における「指揮下」とはしっかり文章や口頭指示がなくても、「空気的に明らかに指揮下だよね」という場合も適用されます。
4. まとめ
今やっていることが労働なのかどうかというのはそれをやっている時間がどんな時間なのかによって決まります。
会社や上司の指揮下にあるとき、それは労働時間です。
これには正当な待機時間も含まれます。
例えば小売業でお客さんがいなくて店内で立っているだけの時間でも、それは時間と場所を拘束されているわけですから労働時間なわけです。
5. その他の記事
6. 参考資料
『法律上、労働時間とはどのように定義されていますか。』(労働政策研究・研修機構)2018年5月18日検索