ひろしの回想シーンはなぜ泣けるのか?
「大人も感動するクレヨンしんちゃんの映画」として高い評価を受け、
歴代最高傑作の1つとも言われる「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」。
そんなオトナ帝国の逆襲の1番の感動シーンと言えば、ひろしの回想シーンでしょう。
ひろしの回想シーンは、家族を持つ人だけでなく、多くの大人が泣いてしまうと評判です。
ひろしの回想シーンで感動するのはおそらく、
誰もが多かれ少なかれ持つ子供時代の郷愁と、
普段は忘れてしまいがちな、何気ない日常の尊さを
思い出させてくれるからではないでしょうか。
「オトナ帝国の逆襲」のひろしの回想シーン
しんのすけ「父ちゃん、オラがわかる?」
ひろし「ああ。ああ!」「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」より引用
古き良き昭和の世界観を取り戻そうと大人達を操る組織「イエスタデイ・ワンスモア」。
彼らの洗脳により子供になってしまう大人達。
その代償として未来が奪われてしまうかもと、しんちゃん達「カスカベ防衛隊」および野原一家は未来を取り戻すために「イエスタデイ・ワンスモア」のリーダーであるケンのところへ乗り込みます。
「オトナ帝国の逆襲」はノスタルジーへのアンチテーゼが1つのテーマとなっています。
ひろしの回想シーンは、
子供の頃に戻って子供のまま過ごそうとするひろしを、
しんのすけが靴の匂いをかがせることで現実に引き戻すシーンで登場します。
自分のこれまでの人生を思い出し、泣きながらしんのすけをひろしは抱きしめます。
「ひろしの回想シーン」の解説
ひろしの回想シーンはそこまで長くないのですが、
穏やかなBGMにのせてひろしの尊い人生が描かれます。
自転車に乗り、父の背中に揺られた子供時代。
初恋や受験。
はじめてで戸惑う社会人生活。
そんな中で出会ったみさえというかけがえのない存在。
2人の間に生まれた宝物。
温かい家庭。
家族を持つ人なら誰しもが共感できるような、平凡だけれど幸せな日々。
そして家族を持たない人でも、
平凡かもしれないけれど、自分の人生はたくさんの温かいものに支えられてきたんだなあと振り返りその尊さに涙してしまいそうです。
まとめ
オトナ帝国のひろしの回想シーンで感動してしまう背景は人によって様々でしょう。
けれど例えば、そこには
「郷愁の思い」と「日々の尊さの再確認」があるのではないでしょうか。
郷愁とは懐かしさから少し寂しい気持ちになることです。
大人になった自分から見た、幼かった頃の無邪気な自分。
決して理路整然とはしていなかったけれども、悩みながらも一生懸命がんばった日々。
そういった過去を思いだし、共感するのではないでしょうか。
そして、
何気ない日常でも、大切な人に出会ったり、いろんな優しさに触れていて、自分の人生はこんなにもかけがえのないものだったんだなあと改めて気づく。
そんな心の動きをひろしの回想シーンはさせてくれるのではないでしょうか。
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