カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)について適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
スパイクは死んだのか?
カウボーイビバップの最終回はスパイクの生死が明確には描かれないまま終わります。
これは視聴者に解釈をゆだねる展開であり「スパイクは生きているのか死んでいるのか?」について絶対的な答えはないと言えます。
しかしながら物語の流れを汲むと、
スパイクは最終話にて死亡したと解釈するのが妥当ではと考えられます。
解説
ビシャスとほぼ相打ちだったスパイク
最終話の終盤、ビシャスとの一騎打ちにてスパイクはビシャスに勝利するも、階段を下りる中で倒れてしまいます。
かなりの傷を負っており、この時点で命を落としたと予想できます。
仮にまだ息があったとしても、周囲にはビシャスの部下達が多数いる状態です。
満身創痍のスパイクがこの状態から生き延びることは困難と考えるのが自然でしょう。
エンディングの星
スパイクの死を暗に表していると思われるのが、エンディングの最後のシーンになります。
エンディングの最後、夜空の中でひときわ輝く星がその光を失い消える描写があります。
その後に白黒のスパイクのカットが入り、まるでスパイクの命が尽きたかのような演出となっています。
ブルの占い
さらにこの星が消える描写がスパイクの死を表していると考える根拠の1つに、最終話でのブルの占いがあります。
スパイクを探すためジェットはブルにスパイクの行き先を占ってもらおうとします。
ブルは「命ある者は星を持っている」と表現します。
さらに命が尽きるとき星が流れ消えると表現し、スパイクの星が流れようとしていることを示唆します。
このように事前に星と命を結び付けており、エンディングの星とスパイクの命の伏線となっています。
最後の英文
YOU’RE GONNA CARRY THAT WEIGHT.
カウボーイビバップより引用
最終話の最後に出てくる英文は、これまでと異なり「you’re gonna carry that weight.」という内容が表記されます。
これはビートルズの「Carry That Weight」の歌詞の引用と思われます。
訳としては「あなたはこの重荷を背負っていく」となります。
ジェットにせよフェイにせよ、カウボーイビバップの登場人物達は過去と向き合った結果はそこまで良いものとはなっていません。
スパイクも初めは「覚めない夢」として過去に縛られつつも過去と向き合わない日々を生きていました。
しかし今回の戦闘で過去と向き合うこととなります。
「Carry That Weight」はスパイクに対して「過去をなかったことにはできないし、過去と向かったからと言ってハッピーエンドになるとは限らない」というなんとも苦い教訓を示しているように思えます。
補足記事