物を長く使うことが下手な人がいます。
一方で、物を大切に長く使える人がいます。
両者の違いはなんでしょう?
値段が高いほど、物が良くて長持ちすると考える人がいます。
間違っていはいませんが、正しいとも言えないでしょう。
技術や流通が発達している近代において安くて良い物はたくさんあります。
結局のところ、物を見る目が大切なのです。
値段ばかりで物の価値を判断していると、物を見る目が養われません。
値段が高いほど、物が良いと勘違いする人がいます。
値段が高いほど物の寿命が比例して延びるかというとそうではありません。
例えば洋服。ブランド物だと似たようなシャツでも10倍くらい価格が異なることもありますね。じゃあ10倍長持ちするかというと一概には言えないものです。
値段で寿命が決まるのではありません。その物のジャンルでおおよその寿命があるのです。
車は10年くらいでいろいろメンテナンスが必要になってきます。
洋服もその人が同じように着れば値段によらず同じような寿命を迎えるでしょう。
倍出せば倍長持ちして、10倍の価格なら10倍長持ちするかと言えばそうではないのです。
最近は気軽に使える電気ケトルが増えましたね。
その影響で、家にポットがない人もいるかもしれません。
世の中はめまぐるしく変化して、それに応じて個人の価値観もどんどん変わっていきます。
自分自身がどのような価値観を持って変化していくか。
これは予想が難しいものです。人は自分のことが一番わからなかったりするものです。
自分の価値観の変化をわかったふりする人は物との付き合い方が下手です。
「ポットは家に絶対必要」と決めつけて高級なポットを買う。
この人は「ポットを使わないライフスタイルが来るかもしれない」という可能性を考えていない。
いざケトルが市場に出回ると、「ケトルがあればすごく便利」と掌を返したように考えが変わり、まだ大して年数の経っていないポットを手放して今度は高級なケトルに手を出します。
「自分の今の価値観は、もしかしたら変化するときが来るかもしれない」と思える人は、物を買うときの判断が慎重です。
自分の部屋で、長く使っている物を見てみると、「気づいたら5年・10年経っていた」という物が多い。
「よし、これは一生物だ!」と力を入れて買った物は意外と自分の身の回りに残っていないものです。
気負うと気楽に使えません。何気なくそこにあって、使いやすくて、自分の生活に合っている物。そういう何気ない物が結果論として一番長持ちします。
皮肉なことに、長持ちする物は「長く使うぞ」と意識していない物だったりします。
このように見てみると、
物との付き合い方は、人との付き合い方に似ているのかもしれません。
物を大切に長く使える人は、人との関係も大切に長期的に築くことができます。
物をコロコロ変える人は、人付き合いもコロコロ変わります。
何かを長く大切にできるコツは、物にも人にも共通するのでしょう。
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