アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
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第53話「復讐の炎」
アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」の第53話「復讐の炎」。
物語の展開としてはクーデターに対する世論誘導と、エンヴィーVSマスタングの2本立てになっている第53話。
ヒューズ殺害を告白するエンヴィーとそれに激情するマスタングが最大の見せ場であることは言わずもがなですが、
ブラッドレイ夫人の告白をラジオで流すことで、世論を誘導しホムンクルス討伐後の統治も計算に入れているマスタング隊の作戦も大きな見どころだと思います。
全体のあらすじ
セントラルのラジオ局を占拠したブレダたち反乱軍一派。彼らはそこで、大総統へクーデターを起こそうとしているのは実は軍上層部のほうであり、自分たちはそれを阻止するために動いているのだという、でっち上げの大義名分を国民に伝える。一方、中央司令部地下で大量の人形兵たちと戦うエドやスカーたちの元に、ロイとホークアイ、そしてメイと彼女を追いかけてきたエンヴィーが現れる。初めて会ったエンヴィーに「ヒューズを殺したのはおまえか」と尋ねるロイ。そんな彼に対し、エンヴィーが見せた答えは……。
各シーンの伏線などの解説
マスタング達の世論誘導
ブラッドレイ夫人の告白をラジオで流すことで、マスタング隊を正義、既存の軍を悪というかたちで世論に印象付けたマスタング隊。
アメストリスは度重なる戦争によって拡大・繁栄した国。
その象徴であるキング・ブラッドレイへの国民の信頼は厚いです。
またブラッドレイ夫人の心情も配慮して、あくまでブラッドレイは暗殺されたとします。
このあたりの、ブラッドレイの名誉はそのままに、マスタング達の行動のみ正当化する世論誘導の仕方はうまい演出だなぁと思います。
鋼の錬金術師という作品がもっと子供向けの演出をするのであれば、おそらく「国民全員がホムンクルスの存在とその企みを知って、国中がマスタングおよびエド達の側につく」という展開になるのではと思います。
しかしそうではなく、国民へはあくまで政治的な争い見せかけます。
おそらく勢力的には小さいマスタング隊およびブリッグズが、後にアメストリスを統治できる方法としては非常に現実的な策と思います。
この小難しくならない程度に政治的争いも絡める「ちょうどよい難しさ」が、鋼の錬金術師が大人から子供まで幅広い世代に親しまれる理由の1つかと思います。
ロスの社会的復活
ヒューズ暗殺の容疑で、表向きにはマスタングにより葬られたことになっていたロス。
これにより無実の罪による投獄は避けられたものの、長らく他国へ逃亡することとなります。
社会的には死んだままだったロスですが、今回のラジオ放送にて証言者となることで、晴れて無実が証明されたと言えます。
また今回のラジオ放送でロスの生存を初めて知ったブロッシュ。
「マスタングは任務に見せかけてヒューズ殺害の復讐としてロスを殺した」と考える軍人はおそらく多く、ロスの生存が公になることはマスタング派の軍人を増やすことにもつながったでしょう。
マスタングVSエンヴィー
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参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索