アニメ「鋼の錬金術師」について一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
タッカーの1期と2期の違い
「綴命の錬金術師」であるショウ・タッカーは、1期のほうが出番が多く、その内面もより暗く難解な演出となっています。
アニメオリジナル展開の1期では、妻子をキメラにした後に軍に隔離、秘密裏に自身もキメラにされ娘の人体錬成を求めさまよい続けます。
原作準拠の2期では富と名声のために妻子をキメラにした後は、スカーに殺害されます。
解説
設定の違い
「綴命の錬金術師」でありキメラの権威として名高いショウ・タッカー。
しかし実際は妻を犠牲にキメラを作ったサイコパスな研究者という設定は1期2期共通です。
その後、査定のために娘であるニーナと飼い犬であるアレキサンダーを合成、キメラを作ります。
その非倫理的な行動がエドを通して公になるという展開も同様です。
本編での活躍や出番の違い
1期のタッカーはその後に軍に隔離され、キメラの人体実験として自身も生物と融合した異形の姿になってしまいます。
これに対し2期は、直後に訪れたスカーに殺害されます。
1期も2期も、人の命を科学という可能性でどうにかしようとしたという点で、自分もエドも同じであるとタッカーは主張します(エドは母親を人体錬成した)。
これに対しエドは反発しますが、タッカーの主張に一考の余地があることもこの回の深さであると思います。
さらに、1期ではキメラになったタッカーが娘を復活させるため、娘の姿をした人形に魂を定着させようとします。
一度は娘をキメラにしたタッカーが、再び娘を求めるという点が人間の心の複雑さを表現していると思います。
ニーナを失ったのはタッカーが原因であることは言わずもがなですが、にもかかわらず今度はニーナの復活に取りつかれたように取り組むタッカーの様子が非常に印象的です。
結末の違い
1期では最終的にキメラとして生き残ったタッカーですが、2期ではスカーによって命を落とします。
1期ではその後、アルが賢者の石になることに関わります。
2期ではスカーに殺害されたことで、実際の出番としては第4話のみの登場となっています。
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参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索