カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)について適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
最終回の英文の意味
YOU’RE GONNA CARRY THAT WEIGHT.
カウボーイビバップより引用
カウボーイビバップ最終回である第26話の最後に表記される「you’re gonna carry that weight.」。
日本語訳としては「あなたはこの重荷を背負っていく」と考えられます。
物語全体を通して考えると、
「人は自身の過去をなかったことにはできない」という教訓を含んでいるように感じます。
解説
「YOU’RE GONNA CARRY THAT WEIGHT.」の元ネタ
カウボーイビバップは各話においておおむね「SEE YOU SPACE COWBOY…」という文を画面右下に表記して終わります。
訳としては「またね、賞金稼ぎ」といったニュアンスであり「次回に続く」といった意味と考えていいでしょう。
そして最終話では当然次回には続かないわけですから別の言葉として「YOU’RE GONNA CARRY THAT WEIGHT.」が用いられます。
「YOU’RE GONNA CARRY THAT WEIGHT.」は、ビートルズの「Carry That Weight」の歌詞の引用と思われます。
スパイクの重荷とは?
冒頭で述べた通り「YOU’RE GONNA CARRY THAT WEIGHT.」は訳としては「あなたはこの重荷を背負っていく」というニュアンスであると考えられます。
作中においてこの「重荷」とは、スパイクにとっての「ジュリア」であり「過去」であると考えられます。
スパイクは過去の組織とのいざこざで死んだ扱いになり、賞金稼ぎとして日々を過ごします。
しかしスパイクはジュリアの存在を忘れることができません。
結果としてスパイクは再びビシャスがいる組織「レッドドラゴン」と対峙することとなります。
またジェットやフェイなど他の登場人物に関しても、過去にとらわれ過去と向き合う流れとなります。
ジェットはかつての妻と再会しますが結局は関係が修復できず終わります。
フェイも昔の記憶を取り戻しますが、それは彼女の居場所を作ってくれることにはなりませんでした。
エドの解釈は微妙ですが、結局エドはアインと一緒ではあるもののまた放浪の旅となります。
カウボーイビバップの登場人物達は、過去や物事に向き合ったからといってハッピーエンドになるわけではなく、その過去ゆえのほろ苦さを感じ続けることとなります。
このように登場人物達は重荷を背負い続けることになります。
そしてその重荷であるジュリアやビシャスとの因縁を手放したスパイクは、最終回で死亡したような演出となります。
最終回の「YOU’RE GONNA CARRY THAT WEIGHT.」は、人は過去を背負って生きていくという教訓を含んでいるように思えます。
補足記事