「アッパレ!戦国大合戦」の感動シーン
クレしん映画の中でも感動作・傑作として名前が挙がる「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」。
そんな「アッパレ!戦国大合戦」の感動シーンといえば又兵衛が打たれて死んでしまうシーンがよく候補に挙がりますが、
しんちゃんと廉の最後のやりとりも深みがあって感動するシーンではあります。
又兵衛が死してもなお、その思いがしんちゃんや廉、残された人々の心の中で生き続けている様子は感動ものです。
今日は「アッパレ!戦国大合戦」のラスト、しんちゃんと廉の会話シーンについてです。
しんちゃんと廉の最後の会話のシーン
廉「又兵衛がいずれ戦で命を落とすことを、私はわかっていたのかもしれない。
たぶん又兵衛自身も。
私の願いが届いたせいで、しんのすけには辛い思いをさせてしまったな」しんのすけ「廉ちゃん」
廉「ん?」
しんのすけ「廉ちゃんはおマタなのおじさんと結婚したかった?」
廉「うん。こんなに人を好きになることは、もう二度とないと思う。
だから、私はこれから先、誰にも嫁がない」しんのすけ「あ、あのね廉ちゃん、ほんとはおじさんもれんちゃんのことを」
廉「もうよい。もうよいのだ、しんのすけ」
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦」より引用
このあとしんちゃんは一人で「金打」を再び行い、又兵衛との誓いを再確認します。
しんちゃんの気持ちと廉の気持ちの解説
互いが思い合っているにも関わらず、結ばれることがなかった又兵衛と廉。
すでに気づいてはいたでしょうが、廉の気持ちを確認することでしんちゃんは又兵衛と廉が互いのことを好きであったことを確信します。
又兵衛が死に、永遠に結ばれることがなくなってしまった廉。
結ばれることはなかったけれど、又兵衛は廉のことが好きだった。
だから本当は2人は両想いだったんだ。
互いが好きだったという事実が廉にとって、又兵衛の死に対するせめてもの慰めになるのではとしんちゃんは思います。
しかし又兵衛の気持ちを伝えようとするしんちゃんを廉は制します。
廉も、自分の気持ちだけでなく、又兵衛が自分のことを好きだということは気づいていたのでしょう。
けれど、それを本人や誰かかから言葉で確認してしまえば、未練が残ります。
本当は互いに好きだったのにと。
けれど誰かから又兵衛の気持ちを聞かなければ、「又兵衛は自分のことが好きだったかも」というあくまで仮定の段階でとどまれるわけです。
廉が又兵衛の気持ちをしんちゃんの口から聞かなかったのは、又兵衛の気持ちを知ってしまえばもっと未練が残るから。そしてそれは又兵衛も望まないことと思うからなわけですね。
まとめ
満場一致のハッピーエンドとは言い難い「アッパレ! 戦国大合戦」。
その終わり方が「しんちゃん映画らしくない」と批判されることもありますし、「切なくて感動する」と評価されることもあります。
いずれにせよ、しんちゃんや廉の思いや言動といった、心の美しさというか清さを感じる作品ですね。
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