「あなたはなぜチェックリストを使わないのか?」を参考に、チェックリストの作り方をまとめます。
なぜチェックリストを使わないのか?
人間の記憶力や注意力には限界があるので、「うっかりミス」や「ケアレスミス」というのはつきものです。
医療業界をはじめとし、科学の発展に伴い人々のすることはどんどん複雑化し、「うっかりミス」が常に背後につきまといます。
そんな日々の中で「チェックリスト」の活用を重要視するのが「あなたはなぜチェックリストを使わないのか?」の著者であり外科医のアトゥール・ガワンデ氏です。
アトゥール・ガワンデ氏いわく、チェックリストは有用で効果的ですが、作り方を間違うと現場に合わない実用的でないチェックリストになってしまうとのこと。
良いチェックリストは、
1つのページで収まり、簡潔で、曖昧な表現がなく、文字の大きさが見やすく、項目が5~9個に収まっているものだそうです。
以下、もう少し詳しく。
7±2チャンク
人によって多少変わりますが、
短期記憶の容量は7±2チャンクと言われています。
チャンクとは「まとまり」という意味です。
つまり5~9個くらいが短期記憶の容量です。
チェックリストはこのマジカルナンバーを参考にします。
つまり人がぱっと把握しやすい程度にまとめるということです。
チェックリストの作り方
具体的な、チェックリストの作り方を。
作成にあたって
- 目的がはっきり簡潔に定義されている
- 項目にするのは見逃される可能性が高く確認が必須なこと
- 具体的な行動を促す内容
- チェックすることで、改善できる余地がある
- チェックリスト作成にはメンバー全員が参加し、現場に合う物にする
フォーマット
- チェックリストを使用できるタイミングが業務の流れの中で設けてある
- 項目は9項目まで
- 平易な言葉で書く
- 目的に沿ったタイトル
- 1ページにおさまる
- 色の使用は最小限
- 文字の色が濃く、背景が薄い
- 作成日や更新日がはっきりと書かれている
導入するとき気をつけること
- 仕事の流れを妨げない
- 実際に使う人にテストしてもらう
- 必要に応じて改良する
- チェックに時間がかかりすぎない
まとめ
以上のように、チェックリストは重要ですがただやみくもに作ればいいというわけではなさそうです。
チェックリストを作成し活用する上で大切なことは何より簡潔さ。
チェックリストが1ページでおさまらない場合は、状況によってチェックリストを作り分けるなどで対応します。
そうやって、あくまで1回に行うチェック作業は短時間でシンプルに、けれど要点をつかんだ有用なものにします。
その他の記事
参考資料
アトゥール・ガワンデ『あなたはなぜチェックリストを使わないのか?』晋遊舎、2011年