アニメ「鋼の錬金術師」について一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
マスタングの1期と2期の違い
ロイ・マスタングは1期では比較的バッドエンド、2期ではハッピーエンドと結末が大きく異なります。
またこれに裏付けされるように、生い立ちや内面の設定も微妙に異なっています。
アニメオリジナル展開の1期では、ヒューズの仇の固執し大総統になるという野望をほぼ諦める形となります。
原作準拠の2期では、仲間と共に政治方面の戦略を練った上でホムンクルスの企みを阻止し、国の在り方を変えるという目標に着実に歩を進めます。
解説
設定の違い
1期ではウィンリィの両親であるロックベル夫妻を戦場で殺したのはマスタングという設定になっています。
原作及び2期ではロックベル夫妻を殺したのはスカーです。
「焔の錬金術」を使うイシュヴァール殲滅戦で活躍した国家錬金術師という設定はおおむね同じで、イシュヴァールのことで深く苦悩しているという背景も同じです。
これによりマスタングは自身が大総統となり国を変えることを決意します。
しかしロックベル夫妻の件などもあり、1期のマスタングはエルリック兄弟やウィンリィと何とも言えない溝のようなものがうかがえます。
本編での活躍や出番の違い
1期と異なり2期ではラストやエンヴィーに対してなど、敵に対して無双をするシーンが目立ちます。
これは1期が「ホムンクルスは何度も再生するから倒せない」という描かれ方をするのに対し、2期では「再生するならその力が尽きるまで倒し続ければいいだけ」という描かれ方をしている点が関係していると思います。
上記のような背景から、1期のホムンクルスとの戦闘はやや絶望的な演出が見られますが、2期では力技によるねじ伏せが見られます。
そしてホムンクルスを力技でねじ伏せるにあたって、高火力の攻撃を持つマスタングは非常に活躍します。
結末の違い
親友であるヒューズの死をどのように乗り越えたかが、マスタングの1期と2期の結末を大きく変えています。
1期ではキング・ブラッドレイと交戦し何とか勝利するも、その後にアーチャーに左目を打たれてしまいます。
その後マスタングは降格し左遷され、とても大総統を目指せる地位とは言えない状態となります。
そもそもヒューズを殺したのはエンヴィーです。
同じホムンクルスとはいえブラッドレイと政治方面の戦略も練らずに戦う点からヒューズの死と自分の信念との折り合いをうまくつけることができていない様子がうかがえます。
一方2期では、ホムンクルスの企みを阻止すると同時に政治方面の戦略も立てており、計画が成功した暁には自身が実権を握る算段も想定済みで行動します。
また戦いの中で強制的に人体錬成をさせられ代価として失明するも、最終的にはマルコーの計らいで視力を取り戻します。
このように2期ではヒューズの死を乗り越え、国を変えるという野望に着実に近づくマスタングが描かれます。
その他の記事
参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索