アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
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政治的戦略とブラッドレイの生還
第56話でブラッドレイの生還が公になったことで、マスタング達の作戦に支障が出てしまいます。
ハガレンの終盤は中央司令部での総力戦で非常に盛り上がる展開です。
しかしそういった派手なストーリーと併行して政治的な作戦もきちんと動いている点がハガレンのおもしろさ・丁寧さかと思います。
解説
国を守るための作戦
国全体を賢者の石にしようとするホムンクルスの企みを、なんとしても阻止したいマスタング達。
そこで一番厄介なのが、国のトップであり国民からの信頼も厚いキング・ブラッドレイがホムンクルスであるという点です。
単純にブラッドレイ含むホムンクルスを倒しただけでは、マスタング達は国のトップを暗殺した犯罪者になってしまいます。
しかしながら、ブラッドレイ達がホムンクルスであるという突飛な話を国民に説明したところで理解を得ることはほぼ不可能に近いと言えます。
政治的戦いを行うための3つの戦力
このためマスタング達は、中央司令部を掌握するホムンクルスおよび上層部と戦い、その後に国も統治できる戦力を集めます。
ホムンクルスになびかないグラマン、一枚岩で信念があるブリッグズはその中でも大きな力と言えます。
しかしながらこの3つの勢力は、ホムンクルスを倒しなおかつ国を混乱させず統治することの利害が一致したにすぎません。
3者は状況によっては互いを犠牲にすることも視野に入れながら、行動に移ります。
マスタング達の作戦
マスタング達はブラッドレイを暗殺し、夫人をかくまい、あくまで悪者は上層部という構図を国民に伝えます。
これによって最低限の労力で、国の混乱を避けようと試みます。
ブラッドレイの生還
しかしブラッドレイが生きていたことで、作戦に支障が出てしまいます。
マスタング達の作戦はブラッドレイの暗殺が前提であり、ブラッドレイが生きていれば国民はブラッドレイになびいてしまいます。
ホムンクルスのことを含む込み入った事情はラジオ局の人々も知らず、ブラッドレイの生還を喜んでいます。
マスタング隊はこういった状況に対してブリッグズにクーデターの責任を押し付けます。
裏切りの行為ではありますが、ブリッグズもグラマンも自身の状況が悪ければ同じことをした可能性があり、それは互いにわかっていることとも言えます。
いずれにせよ、国民の信頼は厚いけれど倒さないわけにはいかないブラッドレイ。
このブラッドレイを暗殺し、ブラッドレイ側の人間のふりをして中央部を叩くマスタングの作戦は、第56話で支障が出てしまいます。
本編
参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索