【哲学】「優しさ」とは?




「優しさ」とは?

「優しさ」とは人生に欠かせないものの1つだと思います。

でも、じゃあ、「優しい」ってどういうことなのかって考えると案外難しいです。

「優しい」ってどういうことなのでしょう?

個人的には、

「優しさ」とは、自分にはできないことは誰かに助けてもらって、自分にならできることで誰かの力になるという相互的な関係だと考えます。

これは仏教的な考えに近い考え方です。

以下、もう少し詳しく。


「優しい」を履き違えると

「優しい」と「親切にしてくれた」は関連することが多いです。

「ペンを貸してくれた。優しい」といった具合です。

ペンくらいならいいのですが、これが度が過ぎると、

「高級なバッグを買ってくれた。優しい」
「都合のいいときにいつでも来てくれる。優しい」
「自分の言うことは何でもYESと言ってくれる。優しい」

というように、「自分の言いなりになってくれる人」=「優しい」になってしまいがちです。

けれど、当然ながらこれは違いますよね。

「優しい」を履き違えると、
「優しい人」は「自分の言いなりになってくれる人」、
「優しくすること」は、「相手の言いなりになること」になってしまいます。

だから私達は、何が「優しい」のかを考えないといけません。


自分の個性を活かすこと

会社でパソコンが苦手な人がいて、困っている。
自分がたまたまパソコンができて、「ここはこうしたらいいよ」と教えてあげる。

このとき、教えてもらった人はすごく助かります。
けれど教えた側はもともと知っていることを教えただけで、特に無理をしたわけではありません。

むしろ、「自分の知識で人の役に立てた」と嬉しい気持ちになるかもしれません。


料理が得意な人が料理を振る舞う。
料理を食べた人は嬉しくて、作った人も喜んでもらって嬉しい。


人には誰でも、「得意なこと」とか「好きなことと」とか「やってて苦にならないこと」があります。

そういったことを活かして、誰かの力になれるのは嬉しいものです。

そこに無理をしたり我慢をしたりといったことはありません。

あくまで自然に、結果として誰かのためになっているだけです。

優しいということは、肩に力を入れるのではなくもっと自然な行為です。

優しいということは、自分の個性を活かすことです。


まとめ

優しさというのは誰かの言いなりになることでも、肩に力を入れて誰かを助けようとすることではありません。

もっと自然で、もっと穏やかな行為です。

優しいということは、自分の個性を活かすことです。

自分にできないことも、誰かならできる。
誰かにできないことも、自分にならできる。

そうやって、互いの個性を活かして支え合い、つながりができていく。

人とのつながりを大切にし、自分は一人じゃない、自分も人とのつながりの中にいるんだと自覚すること。

つながりの中で互いの個性を認め合うことが、「優しさ」なわけです。


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参考資料

アルボムッレ・スマナサーラ『「やさしさ」って、どういうこと?』宝島社、2007年

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