「オトナ帝国の逆襲」について、結末の解説です。
ネタバレを含みますのでご了承ください。
「オトナ帝国の逆襲」最終回の結末(ネタバレ)
映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」。
クレしん映画の最高傑作とも言われ、大人の鑑賞にも耐えうるアニメ映画ですね。
あらすじの結末としては、
野原一家が未来に対して奮闘する姿勢に過去を懐かしむ人々も心打たれ、結果として未来を守り抜くことができます。
しかし作品全体の意味としては、
「オトナ帝国の逆襲」は単に過去を否定し未来を肯定する映画ではなく、
懐かしい過去に背を向けることへの葛藤やノスタルジー、
それでも未来を進んでいく決意といった
両方の思いが複雑に絡み合うメッセージ性が読み取れます。
オトナ帝国の逆襲とは?
古き良き昭和の世界観を取り戻そうと大人達を操る組織「イエスタデイ・ワンスモア」。
懐かしい過去に戻る代償として未来が奪われることを知ったしんちゃん達「カスカベ防衛隊」未来を取り戻すために「イエスタデイ・ワンスモア」へ乗り込みます。
しんちゃんのおかげで洗脳から目覚めた野原一家。
未来をかけた勝負として、野原一家はタワーを登っていきます。
劇中の「ひろしの回想シーン」は非常に有名で、映画館で子供を差し置いて大人が号泣していたとされる伝説のシーンですね。
「オトナ帝国の逆襲」の解説
「オトナ帝国の逆襲」は洗脳された大人達をカスカベ防衛隊が助けにいく「大人VS子供」の展開と、
野原一家がイエスタデイワンスモアのリーダー「ケン」と対峙する家族の展開の大きく2部構成があります。
そして合間にケン達イエスタデイワンスモアのシーンが入り、
「オトナ帝国の逆襲」はしっかり見ると
「子供(懐かしさを知らない存在)」
「大人(未来を選んだ存在)」
「大人(過去を選んだ存在)」
の3つの視点で見ることができます。
おわりに
「オトナ帝国の逆襲」においてひろしが洗脳から解ける際に涙を流したのは非常にこの映画全体のメッセージを表しています。
家族のために未来を選びながらも、完全には過去(懐かしさ)を否定することができない葛藤が描かれています。
この葛藤が作品を非常におもしろくし、
また敵であるケンを印象深いキャラクターにしています。