友達がいない人ほど太りやすいのか?~孤独と自制心の関係~

人は孤独だと、太りやすいのでしょうか?



人は孤独だと太りやすい

人が太るほとんどの理由は「食べ過ぎ」です。
そして太る過程でほとんどの人が「食べ過ぎているな」とうすうす感じながら、そのときの食欲を抑えられない。

つまり自制心が体重維持には大きく影響するわけです。

自制心の強さは人によって様々ですが、個人においても自制心が強く働くときと弱くしか働かないときがあります。

人は孤独を感じると、自制心が弱くなることが心理学の研究でわかっています。

「社会から孤立している」「他者とのつながりがない」と感じると人は自制心が弱くなります。
正しいとわかっているきつい行動をとれず、ダメだけど目先の快楽になる行動を選びがちになってしまうわけです。

孤独は不摂生を促し、結果として太りやすい生活になりがちです。


孤独さと摂生に関する実験

心理学者のロイ・バウマイスターらの実験で以下のようなものがあります。

まず、被験者達に談笑する時間を作り面識を持ってもらいます。
その後、被験者を一人ずつ個室へ分けます。

「これからの実験は小グループで行ってもらうため、誰と実験をやりたいか教えてください」といった類の説明をします。

被験者に誰と一緒になりたいか聞きます。
その後、グループの発表。

半分の人達に、
「あなたと一緒に作業をしたいと言う人は一人もいなかったので、あなたは一人で作業してください」と言いました。
これが孤独グループ

もう半分の人達には
「あなたと作業をしたいと願い出る人が多すぎて、グループの数が多くなりすぎました。仕方がないので今回は一人で作業をしてもらいます」と言いました。
これが孤独じゃないグループ

「孤独グループ」の人達も「孤独じゃないグループ」の人達も、結局一人で作業をしてもらいます。

作業内容は、クッキーを食べて、味を評価してもらう。
「味の評価なのでクッキーは何枚食べてもいいです」と伝えます。
被験者が食べるクッキーはもちろんみんな同じ物。

ちなみに、事前アンケートで被験者はみんな「クッキーはおいしいけれど、太るので健康面では好ましくない」という意識調査は確認できています。

さて、「孤独グループ」と「孤独じゃないグループ」ではどっちが多くクッキーを食べてしまうのでしょう?


実験の結果

実験の結果、
「孤独を感じるグループ」はそうでないグループより平均して2倍多いクッキーを食べました。

これはクッキーを「おいしい」ではなく「並み」と評価した人にも共通していました。

つまり、孤独を感じる人はそれが「まずくもうまくもない」食べ物でもなんとなく食べ過ぎてしまうわけです。


社会とつながるとストイックにもなれる

関連した実験で逆パターンのものがあります。

つまり、「健康にはいいけれどまずい飲み物」をどれだけ被験者が飲んでくれるのかという実験です。

こちらもあらかじめ被験者を「孤独を感じるグループ」「孤独じゃないグループ」に分けます。

実験の結果、
「孤独じゃないグループ」の方が「健康にはいいけれどまずい飲み物」を多く摂取してくれました。

人は社会や他者とつながりを持ち、孤独を感じない日常を送ると自制の効いたストイックな生活をしやすくなるようです。


まとめ

まとめです。

人は孤独を感じることで自制心が低下します。

社会学者のロバート・ワイスの研究によると、
孤独を慢性的に感じている人は、他者を厳しめに批判したり利他的な行動が減ったり目先の快楽に手を伸ばしがちだそうです。

一方で、人は社会とのつながりを感じることで自然とストイックになれます。

そして自分が孤独がどうかは自分の感じ方次第な部分もあります。

ロイ・バウマイスターらの実験ではあくまで被験者は検査者から話を聞いただけでした。
直接本人達から拒絶の言葉を言われたわけではありません。
「孤独グループ」はあくまで「自分は孤独だ」と思い込んでいたにすぎません。

私達の実際の生活もいくぶんそうなのかもしれません。

本当は自分のことを支えてくれたり好んでくれている人がいるのに、それに気づけていない人は多いです。

「どうせ私なんか」と思う人は多いです。

自分の身の回りにあるつながりに気づくことが心も体も健康に導いてくれるでしょう。


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参考文献

ジョン・T・カシオポ、ウィリアム・パトリック『孤独の科学』河出書房新社、2011年