「夕陽のカスカベボーイズ」について、結末の解説です。
ネタバレを含みますのでご了承ください。
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「夕陽のカスカベボーイズ」の結末(ネタバレ)
クレヨンしんちゃんの映画である「夕陽のカスカベボーイズ」。
個人的には
クレヨンしんちゃんの映画の中で最も構成や伏線がしっかりしている作品の1つだと思います。
西部劇の世界に閉じ込められたカスカベ防衛隊および野原一家。
その世界が終わりを求めてる映画の世界であることに気づいたときから、映画の中の時間が進み始めます。
しんちゃん達は元の世界に戻るため、映画を終わらせるためのヒーローの役割を担います。
夕陽のカスカベボーイズとは?
映画館「カスカベ座」で遊んでいたかすかべ防衛隊だが、トイレに行ったしんのすけを残して、みんな忽然と姿を消してしまう。夜になり行方不明になったみんなを心配した野原一家。映画館を探しに来たが、延々と上映されている西部劇の映像に目を奪われているうちに、気が付けば一家は映画と同じ西部劇の街に立っていた・・・。 春日部に戻ろうと街をさまようしんのすけたちの前に、変わり果てたかすかべ防衛隊のみんなが!風間くんは乱暴な保安官に、マサオくんとネネちゃんは・・・なんと夫婦になっていた。みんなは春日部の記憶を失っており、それぞれ新しい生活を送っていたのだ。唯一記憶が残っていたボーちゃんと帰る約束をするが、この世界での生活が長引くにつれ、徐々に春日部の記憶を失い、この世界の生活に馴染んでゆくしんのすけたち。 果たしてしんのすけたちは、本当の自分を取り戻して春日部に帰ることができるのか?
Abema TVより引用
具体的な展開
西部劇の世界に迷い込むしんちゃん達
古びた映画館のスクリーンから、西部劇の世界に迷い込んだカスカベ防衛隊と野原一家。
そこは終わりのない映画の世界であり、無限の時間を過ごす中で人々は元の世界のことを忘れていくことが判明します。
薄れていく記憶に争いながら、元の世界に戻る方法を探すしんちゃん達。
元の世界に戻る方法を見つける
そして、元の世界に戻るには映画を終わらせること、
悪を倒し映画を終わりに向かわせる役割を自分達が担うことに一同が気付きます。
こうして物語が進むように、映画の中の時間も動き始めます。
動き出した時間
敵であるジャスティス知事が侵入を拒む、町のはずれに物語を解くヒントがあると考えた一同。
記憶が薄れる過程が影響し、しんちゃん達に非協力的だった風間君。
しかし敵との攻防の中、危険に直面した風間君をしんちゃんが助けるかたちで再びカスカベ防衛隊の絆が結ばれます。
これがきっかけとなり、ジャスティス知事達を倒すに足りる力を手に入れます。
3つの扉
時間は進み夜になります。
「カスカベ防衛隊、ファイヤー」という合言葉の記憶もよみがえり、しんちゃん達はフルパワー。
ジャスティス知事を圧倒し、物語のヒントとなっていた3つの扉を開けるに至ります。
こうして3つの扉に封印されていた「お」「わ」「り」が解き放たれ、映画の世界は終わり、元の世界に戻れます。
おわりに
日中から夕陽へ、そして夜へ進む時間が物語の進行をそのまま表現している夕陽のカスカベボーイズ。
「お」「わ」「り」という展開は、あくまで子供向け映画を逸脱しないほどよいオチだと思います。
また今回のヒロインである椿ちゃんは映画の中の住人です。
しんちゃん達が元の世界に戻ることで、しんちゃんが好意を寄せていた椿ちゃんとは会えなくなるというほろ苦いテイストも含め非常に完成度が高い映画だと思います。