「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」とは?
アニメ「鋼の錬金術師」は漫画を原作とした作品です。
アニメは1期と2期があり、それぞれ別物の話となっています。
1期はアニメオリジナルのストーリー。
2期は原作に忠実なストーリー。
ゆえに1期と2期では人物は同じでも、ストーリー上のつながりはありません。
映画「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」は、アニメ1期の完結部分にあたる作品です。
1期は2期と比べてダークファンタジーの要素が強く、そのぶん人物達のセリフも暗さと言うか重さがあって胸に響くものがあります。
今日は、映画「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」の名言です。
「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」名言集
エド「嫌な思い、させちまったな」
ノーア「別に。ジプシーって呼ばれてもかまわないわ。もともと、先祖がエジプトの占い師だって嘘ついたんだもの。ボヘミアン(Bohemiens)でもジタン(Gitans)でも、ツゴイネル(Tziganes)、ノマド(Nomaades)。好きなように呼べばいい」
エド「なあ、お前達は自分のこと、なんて呼ぶんだ?」
ノーア「ロマ」
エド「ロマ?」
ノーア「人間って意味」「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」より引用
国を持たないジプシーの少女「ノーア」とエドの会話。
ノーアはジプシーゆえに様々な偏見や差別を経験してきました。
そんなノーアを気遣うエド。
エドの質問に対しノーアは「ロマ」と答えます。
自分達を何かに属する何かと呼称するのではなく、誰もが同じである「人間」という意味の「ロマ」を使う。
差別する側もされる側も、本当は同じ「人間」なのです。
とても深遠なシーンですね。
フリッツ「私は、彼らが排斥しようとしているユダヤ人だ。どうせ利用されて捨てられる。そんなくだらん現実に、興味はない」
エド「夢の中を生きるふりをして、本当は怖いんだろう?夢が現実に犯されるのが」「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」より引用
フリッツ(パラレルワールドにおけるブラッドレイ)とエドの会話。
エド「待て、俺はあっちに行くなって言ってない」
アルフォンス「僕が行ってほしいんだ」
エド「アルフォンス、俺が邪魔なのか?」
アルフォンス「僕達は、あなたの夢の中の存在じゃないよ。たとえ命が尽きるとしても、僕は僕だ。たしかにここにいる。忘れないで」「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」より引用
ここでのアルフォンスはパラレルワールドのアルフォンスでありエドの弟ではありません。
パラレルワールドが「自分の世界じゃない」という斜めに構えて過ごしていたエドに対する言葉。
俺達は、誰も望んでなくても。だけど、この戦いは俺達のせいなんだ。わかるか?だから、この世界を守る。
生きている限り永遠に、世界と無関係でいることなんて、できない「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」より引用
先述のアルフォンスとのやりとりで思いが変わり、
エドが実際の弟のアルに向けて言った言葉。
デートリンデ「ここは、私達の世界とはまるで違う。新世界だ」
エド「どこも変わらないさ。人は生きて、泣いて、笑って、死んでいく」「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」より引用
作中終盤。エドとデートリンデのやりとり。
デートリンデはパラレルワールドの女性であり劇場版のラスボス的なキャラ。
まとめ
「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」はパラレルワールドというかたちで実際の史実の一部使いながら、差別や政治などの話題もとりあげています。
そんな作中の世界観で主人公であるエドがはじめは傍観者的なスタンスなのですが、次第に自分も世の中と関わりを持つ一人の存在なのだと自覚し、自らできることは何なのかを考え行動します。
テーマも深く、良作である「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」。
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