映画「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」がおもしろかった【レビュー】

今さらですが、鋼の錬金術師の映画である「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」をDVDで見ました。

おもしろかったです。


前提


鋼の錬金術師は2回にわたってアニメ化されています。

漫画が完結していなかったためオリジナル展開がされる1期。
その後、原作に忠実に沿って作られた2期。

上記のような経緯により
1期と2期はどちらも「鋼の錬金術師」ではありますがストーリーに関連性はなく別ものとなります。

そして、
映画「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」は1期の続きおよび1期を完結させる話となっています。

ですので前提として、
1期のアニメを見ていないと内容がよくわからない映画になっています。


「シャンバラを征く者」とは


パラレルワールドに行ってしまった主人公が元の世界に戻るためにいろいろやるというのが「シャンバラを征く者」のおおよその話。

その過程の中で主人公であるエドワード・エルリックが精神的に成長していきます。


ダークな要素


鋼の錬金術師のアニメにおいて、
1期(オリジナル)は2期(原作)よりもダークな要素が強い作品と言われています。

その1期の映画ということで、「シャンバラを征く者」もダーク要素がでている作品と言えます。

そのため「シャンバラを征く者」は「ハッピーエンドでみんなニコニコ。見た方もすっきりニコニコ」といった類の映画ではありません。






以下、ネタばれ


以下ネタばれですのでご注意を。


「生きている限り永遠に、世界と無関係でいることなんてできない」


「生きている限り永遠に、世界と無関係でいることなんてできない」
これは作中に主人公であるエドワード・エルリックが言った言葉。

とっても名言ですね。

これまでは自分の母親を生き返らせたい。自分と弟の体を取り戻したい。
といった強い意志ではありますがどちらかというと「自分の目的」が前提にあった行動がほとんどだったエドが、それ以外のことに目を向けたという変化。

その背景にはパラレルワールドのほうのアルフォンスの影響が大きいでしょう。

自分の命をかけて自分の存在を証明しようとしたパラレルワールドのアルフォンス。
そこから自分という存在が自分一人で完結するものではないということに気づくエド。
この過程がすごくいい。


「人は生きて、泣いて、笑って、死んでいく」


「人は生きて、泣いて、笑って、死んでいく」
これも個人的に名言。
エドがラスボス(?)に対して言った言葉。

先述の名言のあとに言った言葉。
何かを悟った感じがかっこいいですね。


「人間って意味」


物語の序盤にあるシーンなのですが、
個人的には作中一番のシーンで一番の名言だなあって思います。

国を持たない民族。ジプシーである女性とエドが話すシーン。

ジプシーは国を持たないため、その土地その土地でいろいろな呼ばれ方をされます。
そしてそのほとんどがぞんざいに扱われる。

そんな差別に対して彼女は
「好きなように呼べばいい」と達観した感じ。

エドは何気なく「お前達は、自分達のことをなんて呼ぶんだ?」と聞きます。

女性は「ロマ」と答えます。

エドが「ロマ?」聞き返すと、
「人間って意味」と彼女は着けたします。

差別する側もされる側も、結局は同じ人間。
自分達は何者でもなく、ただ他と同じ「人間なんだ」という気持ち。
すごく心に残ったやり取りです。

民族だったり国だったり価値観だったり。
自分と他人が「違う」理由はいっぱいあって、
けれど結局はみんな「人間」で、同じように感じたり同じように傷ついたりするということを教えてくれるとっても含蓄のあるシーンだと思います。


最後に


「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」はパラレルワールドを扱っているため「ナチス」といった歴史的背景が盛り込まれていたり、「差別」「戦争」「人種」といった問題に対する含蓄もある映画です。

アニメの完結編としても魅力的ですが、
上記のような少し難しい問題にも考えさせられる素敵な映画です。






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