アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」の解説です。
ネタバレを含みますのでご了承ください。
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第20話「墓前の父」レビュー(ネタバレ)
アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」の第20話「墓前の父」。
エドとホーエンハイムが再会する回であり、
エドとアルがかつて練成したものは母親ではなかったとわかる回です。
鋼の錬金術師のストーリーにおいて、
「エドとアルが人体練成して生み出したものは母親ではなかった」
ということと、
「エドが鎧に定着させたのはアルの魂で間違いない」
という事実は非常に重要なのですが、初見だとこの意味というかここに疑問を持つ背景がちょっとわかりづらいです。
しかしこの2つの事実の関係性が、
「鋼の錬金術師」の世界において「人体練成が不可能である」ことと非常に密接に関わっており、このことに触れるのがこの第20話になります。
全体のあらすじ
ホーエンハイムとの再会をきっかけに、エドは自身が行った人体練成についての疑問を持ちます。
そしてピナコと共にかつて焼き払った家に向かいます。
各シーンの振り返り(解説や考察)
エドとピナコに会うホーエンハイム
父親と再会するエド。
トリシャがこの世を去ったこと、
家を焼き払い、エド達が旅に出ていたこと。
自身が不在の間に様々な出来事が起こっていたことを知るホーエンハイム。
久しぶりの再会のためか、エドに対してホーエンハイムはいささかぶっきらぼうで、またエドの言動を「逃げた」「子供」などやや手厳しい発言をします。
再び旅立つホーエンハイム
1枚家族写真をもらい、ホーエンハイムは再び旅に出ます。
しかし、状況を聞いただけで、エド達が人体練成したのは本当にトリシャだったのかと指摘できるのはさすが。
これをきっかけに、エドも疑問を持ちます。
墓を掘り返すエドとピナコ
そして、謎を解くため、土を掘り返すエドとピナコ。
髪の色も、骨格も違う。
人体練成を行った当時は、冷静に見ることができていませんでしたが、
エドとアルが人体練成によって生み出したのは母親ではなく、ただの人間のようなものでした。
別に母親の魂を呼びもどせたわけではなかったのです。
エドとアルは人体練成に失敗し、
母親の魂を変わり果てた姿に定着させてしまい、
その母親が死ぬことで母親に2回の死を経験させてしまったという罪悪感にこれまで苛まれていました。
しかし、今回の件で、エド達は人間のようなものを作っただけで、別に母親をこの世に呼びもどしていたわけではないという結論に至ります。
アルの魂の真相
死者の魂が呼びもどせていなかったということがわかると、
今度はアルの魂が本物であるのかどうかが気になるところです。
意図的ではないにせよ、エドの記憶が鎧を動かしているだけの可能性もあります。
しかし、エドが知らない出来事をアルが知っていることから、アルの魂は間違いなく本物であることがわかります。
そして、死者を蘇らせることはできないけれど、扉の向こうにあるアルの身体なら魂同様に取り戻せるという確信を得ます。
人体練成の真実をイズミに告げるエド
今回わかったことを、イズミに伝えるエド。
イズミもまた、亡くなった子を人体練成し失敗し、子供の2回殺してしまったと思っていました。
しかしイズミが人体練成したものも、自分の子供ではないことがわかり、ある意味でイズミは救われます。
おわりに
派手な戦闘シーンはないものの、物語全体としては非常に重要な第20話。
ちなみに、今回のことを踏まえると、
OVAである「盲目の錬金術師」のロザリーも、本物でないことがわかります。
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参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索