アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のページです。
一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
ショウ・タッカーとエドの口論
娘や妻を使い人体実験をしたタッカーは擁護されるべきでないのは言わずもがなですが、
エドへの「可能性を試した」という指摘は生命倫理にも関わるなかなか考えさせられるシーンだと思います。
タッカーの指摘について当然エドは否定するわけですが、感情論が先立っておりエド自身が明確に論理的にタッカーの主張を否定できていないところが印象的です。
解説
タッカーの指摘
何を怒ることがある?
人類の進歩は、無数の人体実験の賜物だろう?(中略)
人の命?
そう、人の命ねぇ。
鋼の錬金術師、君のその、手足と、弟。
それも、君が言う人の命をもてあそんだ結果だろう。(中略)
同じだよ。
君も、私も。
違わないさ。
目の前に可能性があったから試した。
それが禁忌であると知っていても。「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode4」(Abema TV)より引用
真相を知りタッカーにつかみかかるエド。
開き直ったタッカーは持論を展開します。
タッカーの言うことも一理あり、エドもタッカーも「ダメだとわかっていながら(自分ができるかもしれないと)可能性を試した」という点は同じ穴の狢とも言えます。
もちろんエドとしては自分は母親を蘇らせたいという純粋な気持ちと、タッカーのサイコパスな人体実験は区別したいところでしょう。
しかしながら、エド達は自分達の都合で「母親のようなもの」を作り、結果としてピナコの判断で埋葬されます。そういった行為が「命をもてあそんでない」と断言できるかと言えば、(経緯はどうあれ)難しい面もあるでしょう。
仲裁に入るニーナ
感情的になり、手加減をせずタッカーを殴り続けるエド。
キメラにされてもなお、父親を慕っているニーナの行動が見ていて辛いです。
ごめんね。
僕達の力では、君を元に戻してあげられない。
ごめんね、ごめんね……「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST episode4」(Abema TV)より引用
自分の無力さに打ちひしがれるアル。
今回の経験がアル達の最終話以降の行動に影響を与える点も深いと思います。
本編
参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索