アニメ「SSSS.DYNAZENON(ダイナゼノン)」についてのページです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
ゴルドバーンとちせ
ちせの負の感情(主に疎外感や孤独)によりバロックパールが成長することで生まれた怪獣であるゴルドバーン。
ゴルドバーンはちせの孤独を埋めようとする存在であると同時に、暦達と一緒に戦うための力となってくれます。
街中に撒かれ無作為に人の感情を吸収する他のバロックパールと異なり、ちせの文字通り懐の中で育ったゴルドバーンは、他の怪獣とは異なる性質を持っている様子がうかがえます。
解説と考察
成長するバロックパール
バロックパールとは怪獣の核となる歪んだ真珠のような粒のことです。
第2話で河原で偶然バロックパールを拾ったちせ。
その後バロックパールはおおむねちせの孤独感に呼応して成長していきます。
ゴルドバーンと他の怪獣の違い
そして金色(ゴールド)のワイバーン似の怪獣であるゴルドバーンが誕生します。
名前はちせの部屋にあるロックバンド名からとった様子が描かれます。
ゴルドバーンは他の怪獣と異なりちせに非常に友好的で、また破壊行動も見られません。
むしろ夢芽達を助ける存在となっています。
このあたりはちせの「みんなと一緒に戦いたい」というポジティブな感情が反映されているからだと考えられます。
ちせにとってのゴルドバーン
そんなこと、言わないでくださいよ。
私だって、一緒に戦ってたつもりなのに、関係ないとか、言わないでくださいよ!SSSS.DYNAZENON 第9話(Abema TV)より引用
自分だけダイナゼノンに乗っていないことに、疎外感を少なからず感じていたちせ。
そんなちせの思いを形にしたと言えるゴルドバーン。
この言葉のあとにまるでゴルドバーンが「君は一人じゃない」と言わんばかりにちせ達の前に現れます。
南さん、ほんとにいいことなんて何もなかったんですか?
あの人、まっすぐに突っ込んできましたよ。
南さんの近くに、そんな人ほかにいますか?
あんた、贅沢なんだよ。SSSS.DYNAZENON 第9話(Abema TV)より引用
蓬の存在に目を向けることができたい夢芽に対し、ちせからのやや手厳しい一言。
この夢芽に対するちせの言葉が、そのままちせ自身のことを指している点も見事な演出です。
ちせは蓬に支えられていることに気づけていない夢芽を諭していますが、同時にちせにはゴルドバーンがついており、人は誰しも自分を支えてくれている存在を忘れがちなものです。
このシーンのあとに、夢芽の眼前には蓬のダイナソルジャーが現れます。
これは前作グリッドマンにおいてアカネの前にグリッドマンが現れるオープニングシーンのオマージュになります。
そして同時に、直前にちせの前に現れたゴルドバーンのシーンとリンクしています。
夢芽には蓬が、ちせにはゴルドバーンが、誰しも支えてくれる存在が実は近くにいることを示してくれています。
補足記事