カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)についてです。
ネタバレは抑えめとなっています。
カウボーイビバップの実写とアニメ
作品として微妙あるいは低い評価であったカウボーイビバップの実写化。
ネット上にネガティブな評価が散見するだけでなく、1シーズンで終了した点もその裏付けかと思います。
個人的には実写化を通してカウボーイビバップという名作が再び話題になることは嬉しく感じます。
一方で実写は、初見の人が楽しむには厳しいものがあるなぁとも思います。
旧来のファンが何かしらカウボーイビバップの新しいコンテンツを見たいとき、オマージュなどを拾いながら内輪で見る。そんな域を出ていない気がします。
カウボーイビバップの実写は、「原作へのリスペクトや愛があっても実写化が成功するわけではない」という例の1つかと思います。
解説
原作へのリスペクトや愛
作品としては微妙な実写版カウボーイビバップですが、原作へのリスペクトや愛は非常に感じる作品だと思います。
オープニングの「Tank!」です。
ストーリーだけでなく音楽方面の評価が高いカウボーイビバップにとって、オープニングやBGMは評価を左右する非常に重要な要因です。
実写版は原作のアニメ同様「Tank!」を採用しています。
そして原作の演出に寄せつつも、背景の文字を原作の英語から日本語に変えるというアレンジをきかせています。
このあたりの原作を忠実に汲み取りつつオリジナル要素を入れている点は非常に好感が持てます。
微妙だった実写
そんな原作愛を感じるカウボーイビバップの実写がそれでも低評価となった背景には、原作をうまく実写に昇華できなかった点があるのではと思います。
予告の時点でアクションシーンのスピード感のなさを感じた人は多いのではないでしょうか。
個人的にアニメの実写化の成功事例の1つは「るろうに剣心」だと思っていて、こちらはアニメを実写にする際の表現がすごいなぁと思います。
そもそもアニメをそのまま実写にするのは限界があって、どこかで取捨選択・オリジナルの表現を加える必要があると思います。
カウボーイビバップはこの取捨選択が微妙だった気がします。
つまり原作を意識しすぎてチープになったシーンがあったり、オリジナル要素の方向性が微妙だった点があったのではと思います。
オリジナル要素はいけないのか?
個人的に実写化にあたりオリジナル要素が入ることは悪いことではないと思います。
例えば藤原竜也さんが主演の「デスノート」はキラとLの結末がオリジナル展開でしたがあれは見事だったなぁと思います。
個人的に原作の世界観を活かしながらパズルを組み変えるように生み出されたオリジナル展開は頭がいいなぁと思うし見ていて許容できます。
カウボーイビバップの実写はそういった点でオリジナル要素がちょっと脇道に逸れ過ぎというか原作の雰囲気に合わない気がします。
補足記事