自分の名前。職場の同僚の人達の名前。
人には毎日覚えなおさなくても忘れない類いの記憶があります。
その一方で、その場で聞いた電話番号。
行き先の住所。今日買い物で買う物。
その場でぱっと覚えて使った後は忘れてしまう類いの記憶があります。
ぱっと覚えて使った後はすぐ忘れてしまう記憶を短期記憶と言います。
短記憶はすぐに覚えられてすぐに忘れるところが非常に便利です。
覚えることができるのは能力ですが、忘れることができるのも能力です。
「このお店で人参とジャガイモを買う」といったことを買った後も一生覚えておく必要はありません。
今このときだけ覚えておけばいいことがあって、
それをずっと覚えることは記憶力の無駄遣いです。
短期記憶の容量には限界があります。
人によって多少変わりますが、
短期記憶の容量は7±2チャンクと言われています。
チャンクとは「まとまり」という意味です。
7±2なので、5~9個くらいのまとまりが、短期記憶の容量です。
「今から言ったものを覚えて。りんご・猫・はさみ・バナナ・・・・・」
と覚えてもらうときに人はだいたい5~9個くらい覚えることができます。
この7±2という数字をマジカルナンバーと言います。
7つとは私達が覚えやす個数です。
7不思議
七草粥
七味唐辛子
世の中には7がつくものが結構ありますね。
その一方で、多くなりすぎるものはマジカルナンバーに近づける工夫がされます。
電話番号はハイフンで区切りますね。
あれは意味のない数字の羅列を覚えやすくする工夫です。
09012345678という電話番号を
090-1234-5678と区切ると
「11個の数字」から、「3つのまとまり」になり覚えやすくなります。
本屋さんに行くと「成功するための7つの方法」みたいな書名がたくさんあります。
これもマジカルナンバーを意識したキャッチコピーです。
覚えにくいものは区切ってまとまりにしてから覚えるというのはマジカルナンバーを活かした記憶術です。
区切り方は意味があるものが望ましいですが、
てきとうに区切っても区切らないよりは効果があります。
人に何かを説明するときも、
「ポイントは3つあります」のように要点をしぼるとわかりやすいです。
ただしこのときは7つもあると話が長いので3つくらいがいいかもしれませんね。
いずれにせよまとまりを作りその数を調整することで覚えやすかったり覚えてもらいやすくなります。