カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)についてです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
Part1 フ-ド・フォ-・ソート
食いモンはとても大切だ。
なにしろ人間の体はそいつが食ったモンで出来ているわけだ。
もし俺のクローンが人間がいたとして、そいつがハンバーガー以外食ったことがないことにしよう。
そいつと俺は遺伝子的には同じでも、まったく違った人間になるはずだ。
ハンバーガースパイクは俺よりも怒りっぽいかもしれないし、日曜には教会に行くような男かもしれない。凶暴な賞金首かもしれないし、Yシャツにはアイロンをあててから着るような男かもしれない。
いずれにしても、ハンバーガースパイクは俺とは別人だ。
要するに食い物を選ぶときは、よくよく考えて選ばないといけないってことだ。スパイク「こっちはロブスターの味噌煮と」
受付機「かしこまりました」スパイク(カウボーイビバップ よせあつめブルース)より引用
解説
テレビ放送時のみ総集編として放送された「よせあつめブルース」。
後のDVDに収録もされていないため幻の最終回とも言われています。
当時放送期間の関係で大幅に話数をカットした上で放送されたカウボーイビバップ。
表現も規制されている箇所もあり、これらの不自由さに対する皮肉めいたセリフが印象的な回です。
よせあつめブルースは全部で24個のパートからなっており、総集編の映像と共に登場人物達の示唆のあるセリフが流れます。
その1つ目である「フ-ド・フォ-・ソート」。
字義通り食事に対する示唆のあるセリフとなっていますが、
この「食べ物」をアニメなどの「コンテンツ」に置き換えることもできると思います。
スパイクはセリフの中でハンバーガーしか食べない自分を例に出します。
つまり「いつも同じ物しか食べない人間だったら」という例えです。
これをコンテンツに置き換えると、
表現規制によって似たような番組・コンテンツしか触れていない人間はどうなるかという示唆にもとれるのではと思います。
それに対してスパイクは「日曜には教会に行くような男かもしれない。凶暴な賞金首かもしれないし」などのように、良い・悪いの言及はしていません。
しかしながら、似たようなものにしか触れていない人間は、少なくとも別人になるはずだと表現しています。
そして食べ物(自分の中に取り入れるもの)はよくよく「考えて」「選ばないと」といけないとして締めくくっています。
規制により表現が画一化されつつあるメディアに対する皮肉と考えることもできるでしょう。
補足記事