アニメ「呪術廻戦」に関するページです。
ネタバレも含みますのでご了承ください。
夏油の孤独感
ブレるな。術師としての責任を果たせ。
呪術廻戦 | 第2期 懐玉・玉折 第29話 玉折(ABEMA)より引用
五条が覚醒したことで「置いていかれた感じ」を強めていく夏油。
この孤独感は夏油の闇落ちを促す要因の1つとなっていきます。
理子の一件でただでさえ心にブレが生じている夏油。
一方で自身の力をどんどん開拓しそれに夢中な様子もある五条は、夏油の変化に気づけずにいたのかもしれません。
「(五条と夏油で)2人で最強」が「(五条は)1人でも最強」になり、夏油は自分の居場所のようなものを感じることができなくなっていきます。
解説
孤独感を感じる夏油
悟は最強になった。
任務も全て一人でこなす。
硝子は元々危険な任務で外に出ることはない。
必然的に私も一人になることが増えた。呪術廻戦 | 第2期 懐玉・玉折 第29話 玉折(ABEMA)より引用
反転術式を会得し、呪術のバリエーションが飛躍的に広がった五条。
夏油はそのことに対して「置いていかれた感じ」を募らせていきます。
考えて見れば、覚醒前の五条と夏油は能力のバランスが取れているまさしく「2人で最強」だったと言えます。
無下限呪術により攻撃は強力ですが、呪力消費が激しく長期戦が不利な五条。
呪霊操術により呪霊の呪力を使うため燃費が良く、(偵察任務など)応用もきく夏油。
加えて、戦闘には不向きですが反転術式により他者を治療できるという稀有な才能を持つ硝子。
それぞれの持ち味があり、アイデンティティのようなものがあったと思います。
しかし、五条の急成長でそのバランスが崩れます。
灰原の死亡に伴う七海の「もうあの人(五条)ひとりでよくないですか」という言葉も、(もちろん七海にそんな意図はなかったのでしょうが)夏油にとっては虚しさを感じる言葉だったでしょう。
葛藤し次第に追い詰められていく夏油
その夏は忙しかった。
昨年の頻発した災害の影響もあったのだろう。
蛆のように呪霊が湧いた。祓う、取り込む。
その繰り返し。祓う、取り込む。
みんなは知らない、呪霊の味。吐瀉物を処理した雑巾を丸呑みしているような……
誰のために……祓う、取り込む……
あの日から、自分に言い聞かせている。
私が見たものは何も珍しくない。
周知の醜悪。
知った上で私は術師として、人々を救う選択をしてきたはずだ。ブレるな。術師としての責任を果たせ。
………… 猿め。
呪術廻戦 | 第2期 懐玉・玉折 第29話 玉折(ABEMA)より引用
そしてアニメ第2期冒頭の夏油のセリフに時系列が戻ります。
孤独感を募らせ、葛藤を誰にも相談できないまま心を病んでいく夏油。
悩みを抱え込む夏油の性格と、呪霊を取り込む術式が皮肉にも同じだなと思います。
シャワーの水が跳ねる音が、盤星教信者の拍手の音と重なりフラッシュバックするという残酷さ。
本編の解説
参考資料