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プリンセスプリキュアが大人目線では歴代最高傑作という説
プリキュアはそれぞれの作品でテーマがあります。
そして「Go!プリンセスプリキュア」では「夢」を主に扱っており、
プリンセスプリキュアの「夢」の描き方はなんとも深いというか、大人も考えさせられる面があります。
正直ターゲット層である女児には(大人向け過ぎて)伝わりにくいと思うのですが、
「夢」というものがなんであり「夢と向き合う」ことはどのようなことなのかを4人のプリキュアを通して非常に巧みに描いていると思います。
解説
天ノ川きらら(キュアトゥインクル)
モデルである母親を尊敬しており自分もモデルを志すきらら。
その夢を実現できる才能も十分に備えており、また努力も怠りません。
自身の夢がはっきりしておりそれが天職とも言える生まれ持っての適合もあり、きららの夢は最もわかりやすいオーソドックスな夢の形と言えるでしょう。
そして夢がはっきりしているゆえに、夢へ割く時間と労力、それ以外のこと(例えば友達との時間など)をどうバランスを取っていくかはきららを通して描かれます。
海藤みなみ(キュアマーメイド)
自分の夢がわからない・途中で変わってしまうというのも「夢」をテーマにした物語で避けては通れない重要な要素だと思います。
そういった自分が本当にしたいことは何かという葛藤・模索はみなみを通して描かれます。
家業を継ぐことに使命感を感じながらも、自分のしたいこととの間で葛藤するみなみ。
自分の夢が見つかった時に祝福してくれる両親のシーンはなんとも温かな名シーンだと思います。
紅城トワ(キュアスカーレット)
一度挫折しそこから立ち上がり再び夢を追うことはトワを通して描かれていると思います。
ディスピアに洗脳され罪を犯してしまったトワ。
その記憶は以後も残っており、それが彼女のトラウマとなります。
しかし周囲に支えられながら「自分を許す」ことを学び、再び夢を追いかけます。
春野はるか(キュアフローラ)
そして最も抽象的な夢を持っているのがはるか。
「プリンセスになる」というのはもちろん単にお姫様になるという空想ではなく、もっと生き方全般に通ずるものと思われます。
最も夢が抽象的なはるかですが、それゆえに万人に学びがあるのもはるかの夢の形だと思います。
きらら・みなみ・トワのように夢がはっきりと定まる人のほうが稀であり、実際に多くの人は何か固有の1つの夢だけで人生が完結することは少ないと思います。
例えばアイドルになりたいと子供の頃は思っていても、大人になるとアイドルを支えるマネージャーという仕事にやりがいを感じる人もいるかもしれません。
夢も生き方も人は日々変化していき、それはいけないことではありません。
大切なのはそういった変化の中で活き活きと人生を送り自分を好きでいられる志ではないでしょうか。
はるかの「プリンセスになる」という夢は(カナタが指摘した通り)はるかそのものであり、はるかの生き方自体を表すものと言えるでしょう。
このためはるかは自分が思うプリンセスのような生き方をすることで、(将来どんな仕事に就いても)生きること自体が夢を叶え続けていることになっていくと思います。
この何かにならなければ達成できない夢ではなく、自分の生き方・考え方自体に夢を反映させるのは、非常に大切な概念だと思います。