アニメ「鋼の錬金術師」について一部ネタバレも含みますのでご了承ください。
エドの1期と2期の違い
エド自身の能力や人物像は1期と2期で大きくは変わらないものの、1期は鬱展開が多すぎるという外的要因で2期とかなり違う結末を迎えます。
アニメオリジナル展開の1期では、エドの精神力が追いつかないほどの理不尽な展開が立て続けに起こり、それを許容するので精一杯という形のバッドエンドで物語は終わります。
原作準拠の2期でも困難な出来事はエドに立ちはだかりますが、それを超えることができる可能性や展開もありました。
結果としてエドは壁を乗り越えハッピーエンドを迎えます。
解説
設定の違い
1期と2期でエドの設定に自体に大きな違いはありません。
右手と左足のオートメイル、人体錬成を経験したゆえの手合わせ錬成にて戦います。
兄弟で元に身体に戻るという旅の目的、そのために国家錬金術師になるという過程も同様です。
本編での活躍や出番の違い
このようにエドの設定に大きな違いはないものの、冒頭で述べた通り1期と2期では出来事の悲惨さが異なり、結果としてエドの内面は微妙に異なった描かれ方をします。
例えばリオールの出来事が象徴的です。
エド達の介入でレト教のペテンは暴かれるものの、ホムンクルスの策略によりリオールは再び混乱するというのは1期も2期も同じです。
しかし1期ではロゼを含めその混乱の中で余計に不幸になった人々が現れ、エド達はどうしても「自分達が介入したばっかりに」と自責の念に囚われることになります。
一方2期ではロゼ達は悲惨な目に遭わず、人々は混乱を経て「目が覚めた」と出来事をポジティブにとらえ、エルリック兄弟にも感謝をはっきり示しています。
このように、基本的に1期は救いようのない理不尽な出来事にエドの精神はすり減らされます。
一方2期では困難なことを糧にさらに成長していく王道の展開を進みます。
結末の違い
1期は「真理の扉の向こうはパラレルワールドとつながっている」というオリジナル設定があります。
この兼ね合いもあり、1期と2期のエドの結末は「違い」どころかまったく「別物」になります。
1期は自分のために犠牲になったアルを取り戻すため、再び錬成を行いエドは真理の扉の向こう、パラレルワールドへ飛ばされてしまいます。
その過程で右手も左足も義手のままとなります。
パラレルワールドに飛ばされたことで、結果としてウィンリィとも結ばれないまま終わります。
一方、2期では「自分の真理の扉を代価にする」という機転でアルを取り戻します。
2期のエドは結果として右手を取り戻します。
左足こそオートメイルのままですが「ウィンリィに整備してもらう」大義名分であり「人体錬成の教訓」とし後味は悪くない解釈となります。
そしてウィンリィとも結ばれ仲間にも恵まれハッピーエンドとなります。
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参考資料
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST STORY』(TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト)2021年7月25日検索